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背骨・骨盤帯のケアが下肢のむくみに与える影響とそのメカニズムを考える【OSC背骨ノート】

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夕方になると足がパンパン、靴下の跡がなかなか消えない…そんな下肢のむくみはよくあるお身体の悩みの一つです。

マッサージや弾性ストッキングで一時的には楽になっても、またすぐ戻ってしまう。そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

目次

3つの視点から考えます

実は、カイロプラクティックによる背骨・骨盤帯へのアプローチが、むくみの解決に役立つ可能性があります。今回は、①自律神経、②骨盤帯のはたらき、③運動機能という3つの視点から、そのメカニズムを考察します。

むくみが起こるメカニズム

むくみ(浮腫)とは、皮下組織に余分な水分が溜まった状態です。特に足は心臓から遠く、重力に逆らって血液を戻さなければならないため、むくみやすい部位です。

ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれ、筋肉の収縮・弛緩によって血液を心臓に戻すポンプの役割を担っています。このポンプ機能がうまく働かなくなると、血液やリンパ液が足に溜まり、むくみが発生します。​

①自律神経を整えて循環を促す

自律神経は血管の収縮・拡張をコントロールしており、この働きが乱れると血行不良が起こり、むくみにつながります。

背骨の調整と自律神経の関係に関する研究は以前から多く出ています。

背骨の調整によって交感神経活動が減少し、副交感神経活動が増強されることが示されおり、この自律神経のバランス改善により、血管の収縮が緩和され、血流の促進が期待できるとされています。

また2025年の新しい研究では、交感神経の働きがリンパ管の収縮を促進し、リンパ液の流れをスムーズにすることも明らかになっています。

つまり、背骨の調整によって自律神経が整うことで、血流とリンパの流れが促進され、むくみの改善につながる可能性が示されます。

②骨盤を整えて循環経路を確保

骨盤帯のバランスがくずれると、鼠径部を通る大きな血管やリンパ節が圧迫され、血液やリンパ液の流れが阻害されます。

2019年の研究では、骨盤帯へのアプローチによって骨盤底筋の左右対称性が改善されることが示されました。骨盤帯の働きが筋機能に直接的な影響を与えることが証明されています。

骨盤帯のバランスが整うことで、周囲の筋肉の緊張パターンが正常化し、血管やリンパ管への圧迫が解消され、循環がスムーズになる可能性があります。

カイロプラクターとしての経験からの話になりますが、骨盤帯へのアジャストメント後にむくみが軽減したという感想も多く見られます。

③運動機能を改善して筋ポンプを活性化

2017年の研究では、筋肉によるポンプ作用が心血管系と姿勢制御システムを駆動することが明らかになりました。

この研究により、ふくらはぎの筋肉による「筋ポンプ作用」が単なる補助的な働きではなく、循環系全体において中心的な役割を果たしていることが科学的に証明されています。

背骨や骨盤帯の調整により、神経系の働きが正常化し、筋肉への神経伝達がスムーズになります。その結果、筋肉が効率的に働けるようになり、筋ポンプ作用が活性化します。

特にふくらはぎの筋肉を動かす運動は、研究によれば血流を20~30%改善する可能性が示唆されています。

まとめ

当院では、カイロプラクティック+エクササイズを基に、以下の3つのメカニズムを通じて、むくみの解決を目指します。

①自律神経を整える

→交感神経・副交感神経のバランスを整え、血管拡張とリンパ管収縮を促進

②骨盤帯を調整する

→関節や筋機能の対称性を回復し、循環経路の圧迫を解消

③運動機能を改善する

→筋ポンプ作用を活性化し、心血管系全体の機能を向上

これらのメカニズムは、複数の科学的エビデンスによってその可能性が示されているものです。むくみにお悩みの方は、ぜひカイロプラクティックケアも選択肢の一つとして考えてみてください。

当院では、お一人おひとりの状態をしっかりと評価し、その時の状態に合った最適なケアプランをご提案いたします。お気軽にご相談ください。

参考文献

  • Bolton PS, Budgell B. Visceral responses to spinal manipulation. J Electromyogr Kinesiol. 2012 Oct;22(5):777-84.
  • Jin H, Yoon JH, Hong SP, Hwang YS, Yang MJ, Choi J, Kang HJ, Baek SE, Jin C, Jung J, Kim HJ, Seo J, Won J, Lim KS, Jeon CY, Lee Y, Davis MJ, Park HS, McDonald DM, Koh GY. Increased CSF drainage by non-invasive manipulation of cervical lymphatics. Nature. 2025 Jul;643(8072):755-767.
  • Oleksy Ł, Mika A, Kielnar R, Grzegorczyk J, Marchewka A, Stolarczyk A. The influence of pelvis reposition exercises on pelvic floor muscles asymmetry: A randomized prospective study. Medicine (Baltimore). 2019 Jan;98(2):e13988.
  • Verma, A., Garg, A., Xu, D. et al. Skeletal Muscle Pump Drives Control of Cardiovascular and Postural Systems. Sci Rep 7, 45301 (2017).

院長:近江

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