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首の痛みと歯ぎしりの意外な関係【OSC背骨ノート】

朝起きた時に首や肩が重たい、慢性的な首こりがある、そして歯を食いしばる癖がある――こんな症状に心当たりはありませんか?
首の痛みと歯ぎしりの意外な関係
実は、歯ぎしりや食いしばりと首の状態には、深い関係がある可能性が最近の研究で明らかになってきました。
研究で分かったこと
2025年に発表された国際的な研究では、歯ぎしりをする人の首の位置について詳しく調べられました。
レントゲン写真や姿勢の写真を使って、3歳から65歳までの120名(歯ぎしりがある人68名、ない人52名)を分析した結果、歯ぎしり・食いしばりの習慣がある人は、していない人に比べて頭や首が前に出ている傾向があることが統計的に証明されました。
興味深いことに、このパターンは大人だけでなく、3〜6歳の小さな子どもにも見られました。また、歯ぎしりがある人は、首の不調を訴える程度も高い傾向があることも報告されています。
なぜ歯ぎしりと首がつながっているの?
物を噛む筋肉と首や肩の筋肉は、筋膜という組織でつながっているため、歯ぎしりや食いしばりで噛む筋肉が固くなると、その影響が首や肩の筋肉に伝わる可能性があります。
また、顎と首は神経のルートでもつながっており、顎の問題が首の痛みとして感じられたり、その逆が起こることもあると考えられています。
さらに、歯ぎしりによって顎や首の筋肉に負担がかかり、頭が前に出やすくなる可能性もあります。それにより首の自然なカーブが失われ、首への負担が増える可能性があります。
こんな症状に心当たりはありませんか?
- 朝起きた時に顎や首が痛い、重い
- 治らない慢性的な首こり・肩こりがある
- 歯が削れていたり、ヒビが入っている
- 寝ている時の歯ぎしりを家族に言われたことがある
専門家に相談してみましょう
研究では、適切な介入によって改善が見られたという報告があります。歯科のマウスピースで首の動きが良くなったり、理学療法的な運動で頭の位置が改善したというデータもあります。
歯ぎしりや食いしばりは、歯だけの問題ではない可能性があります。もし長年の首こり・肩こりや歯ぎしりで悩んでいるなら、それらは繋がった一つの問題かもしれません。
気になる症状がある方は、歯医者さんやカイロプラクター、理学療法士さんなどの専門家に相談してみてください。
参考文献
- Solanke SH, Mistry LN, Jawdekar AM. Association between Bruxism and Cervical Spine Position in Human Subjects: A Systematic Review and Meta-analysis of Observational Studies. Int J Clin Pediatr Dent. 2025 Aug;18(8):1039-1045.
- Piekartz HV, Rösner C, Batz A, Hall T, Ballenberger N. Bruxism, temporomandibular dysfunction and cervical impairments in females – Results from an observational study. Musculoskelet Sci Pract. 2020 Feb;45:102073.