
院長:近江お気軽にご相談ください!
「骨盤矯正って本当に効果あるの?」「整体とカイロプラクティックの骨盤矯正は何が違うの?」「産後に骨盤が開いた気がするけど、どうすればいい?」「骨盤って歪むの?」
骨盤矯正という言葉は、カイロプラクティックや整体・治療院業界でさまざまな意味で使われているため、結局どういうものなのか分かりにくくなっています。明確な定義がないまま、人によってやっていることや理解にバラつきがあるのが現状です。


このコラムでは、カイロプラクティックの本場アメリカで正規教育課程を修了したドクターオブカイロプラクティック(DC)の視点から、骨盤矯正を「Pelvic adjustment(骨盤へのアジャストメント/施術)」として整理します。
骨や関節の変形を治すものではなく、仙腸関節の動きとはたらきを評価し、必要に応じて整えるというアプローチです。不安を煽るためではなく、身体ケアの選択肢として正しく理解していただくための内容になっています。
カイロプラクティックにおける骨盤矯正を一言で表すなら、仙腸関節の動きを良くする(はたらきを良くする)ことです。


上の図で示した仙骨(せんこつ=赤い骨)、その両端に仙骨をはさむようにしてある腸骨(ちょうこつ=黄色い骨)で作る関節なので仙腸関節(せんちょうかんせつ)と呼ばれます。
日本では「骨盤の歪み」「骨盤が開く」といった表現がよく使われますが、これだけを聞くと骨自体が変形しているような印象を受けます。ですがもちろん、そんなことはありません。
骨盤にも背骨と同じように多くの種類の筋肉がくっついているので、それらの筋肉同士のバランスがくずれることで左右にある仙腸関節の動きが低下し、偏ってしまいます。骨盤帯全体として見ると歪んだような、時には開いたように見えることがある、というのが実際のところです。
関節のバランスの話になりますが、腰椎・骨盤帯(仙腸関節)・股関節は一つのユニットとして機能しています。専門的には「腰椎骨盤股関節複合体(LPHC = Lumbopelvic-Hip Complex)」と呼ばれ、お互いにバランスを取りながら以下のような働きをしています。
当院では、骨盤も背骨と同様に「身体の軸=体幹」として捉えます。背骨と骨盤は上半身と下半身をつなぐ身体の中心であり、ここから四肢(手足)、軟部組織(筋肉や靭帯)、神経のコントロール(エクササイズやセルフケア)へと優先順位を組み立てていく考え方です。
この優先順位は固定された手順ではなく、評価によって、個々の状態に応じて変わります。痛い場所が必ずしも原因とは限らないため、フォームのくずれやリカバリー不足などで負担が集中した結果として症状が出ていることもあるからです。
骨盤帯の一部として仙腸関節のはたらきが正常であることは、身体全体の機能にとって大切なことが上記のリストを見ていただくとわかるかと思います。そして、この部位への適切なアプローチがさまざまな効果を生み出すとされています。
残念なことに、仙腸関節は動きが悪くなるなど関節のはたらきが低下しやすい部位でもあります。デスクワークなどで座りっぱなしの姿勢は、仙腸関節に負担がかかる行動の大きな原因の1つとされています。


適切に動かして関節に刺激を入れていくことが大切になります。


仙腸関節にカイロプラクティックアジャストメント(カイロプラクティック独自の関節へのアプローチ)を行うと、何が起こるのでしょうか。
骨盤周りにくっついている筋肉への影響が大きいと言われています。もちろん関節自体の動きも良くなりますが、ある骨にくっついている筋肉は、その骨の動きが悪いとちゃんと働いてくれません。骨(関節)を適切に動かすことが筋肉の機能アップにもつながります。
仙腸関節を動かすことによる効果は、規模は小さいですがいろいろと研究されています。仙腸関節にアジャストメントを行うと周りの筋肉がしっかりと働き始めるため、以下のような変化が報告されています。
骨盤矯正について、いくつかの誤解が広まっています。ここでは否定ではなく、整理という形でお伝えします。
骨盤の骨自体の形が変わったり、矯正によって特定の形に固定されるわけではありません。評価に基づいて関節の動きやバランスを整えるアプローチです。
関節や筋肉の状態は、長年の生活習慣や姿勢、運動パターンの積み重ねで変化しています。1回のアプローチで劇的な変化を保証するものではなく、「評価→介入→再評価」というプロセスを重視します。
腰痛や違和感の原因は複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。骨盤だけでなく、股関節、腰椎、筋肉のバランス、動作パターンなどを総合的に評価して整理します。
痛みが出ている場所が必ずしも根本的な問題のある場所とは限りません。負担が集中した結果として症状が出ていることもあるため、全体的な評価が大切です。
ぎっくり腰のように、骨盤の部分をグキっとやってしまうことを「ぎっくり骨盤」と呼んでいます。症状としてはぎっくり腰に似ていますが、原因が仙腸関節などにある場合です。
関節や靭帯を傷めてしまったり、周りの筋肉に影響が出たり、神経にも影響することで、お尻から太ももの裏を通って膝裏の上までしびれが出たりすることもあります。
以下のような状態が気になる場合は、評価を受けてみることをおすすめします。
強い痛みやしびれが続く場合、膝下までしびれが広がる場合、外傷の可能性がある場合は、まず医療機関での検査をおすすめします。カイロプラクティックは身体ケアの選択肢の一つであり、状態によっては医療機関での評価が適切な場合もあります。
骨盤矯正という言葉は多様な意味で使われていますが、カイロプラクティックでは仙腸関節の動きとはたらきを評価し、身体の軸として整えるアプローチとして捉えています。
骨盤は腰椎・股関節とともに一つのユニットとして機能しており、適切な評価に基づいたアジャストメントは筋肉や神経のはたらきにも影響を与えることがわかっています。
効果保証や断定的な表現は避けますが、研究に基づいた知見として体幹機能の向上やスポーツパフォーマンス、産後ケアへの応用が報告されています。
「評価 → 必要な介入 → 再評価」というプロセスを大切にし、理解と納得を優先しながら身体と向き合うこと。それがカイロプラクティックにおける骨盤矯正の考え方です。
ご興味・ご質問があればお気軽にご相談ください。