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外反母趾・中足骨骨頭痛は靴のせいだけではない

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足のトラブルは、ひとつひとつが独立して起きていると思っていませんか?

実は、足の過剰な回内(オーバープロネーション)を起点に、扁平足・開帳足・外反母趾、そして中足骨骨頭痛へとつながる「連鎖」が起きていることがあります。

複数の足のトラブルを同時に抱えている方は、それぞれを別々の問題として見るのではなく、根っこにある共通の原因を探ることが改善への近道です。今回はその連鎖のしくみを整理してお伝えします。

院長:近江

足のトラブルは「点」ではなく「線」でつながっています。この連鎖を知ることが、根本的な改善の出発点になります。複数の症状で悩んでいる方にこそ読んでほしい内容です

目次

オーバープロネーションとは何か

歩いたり走ったりするとき、足は着地の瞬間にわずかに内側へ傾きます。これを「プロネーション(回内)」といいます。衝撃を吸収するための正常な動きです。

問題になるのは、この回内が過剰になる「オーバープロネーション(過回内)」です。足が必要以上に内側へ倒れることで、足のアーチに過大な負荷がかかり続けます。

過回内は歩き方や足の筋力、体重のかかり方によって起こりやすくなります。自覚がないまま進行しているケースが非常に多いのも特徴です。

過回内になると何が起きるか

過回内の状態が続くと、まず内側縦アーチ(土踏まず)が低下しやすくなります。これがいわゆる扁平足につながっていきます。

さらに、縦方向のアーチがくずれると横方向のアーチ(横アーチ)にも影響が波及します。足全体のバランスがくずれることで、前足部への荷重のかかり方が変わってきます。

扁平足と開帳足は似ているようで違う

「扁平足」と「開帳足」はどちらも足のアーチがくずれた状態ですが、くずれているアーチの種類が異なります。この2つの違いを理解することで、症状がどこから来ているかが見えやすくなります。

扁平足は縦アーチの問題

扁平足は内側縦アーチ、つまり土踏まずの高さが低下した状態です。足の内側が地面に近づき、足裏全体が地面についてしまうイメージです。

先天的なものもありますが、成人してから進行する「後天性扁平足」も多く、過回内の継続や体重増加、筋力低下などが原因となります。

扁平足が進行すると足首や膝、股関節、腰へと負荷の連鎖が及ぶことがあります。足だけの問題と思わず、全身のバランスの問題として捉えることが大切です。

開帳足は横アーチの問題

開帳足は足の横方向のアーチ(横アーチ)が低下した状態です。足の前側が横に広がり、指の付け根あたりが地面にべったりとつくようになります。

扁平足と開帳足は同時に起きることが多く、どちらも過回内と密接に関わっています。どちらか一方だけが単独で進行するケースは少なく、多くの場合セットで考える必要があります。

外反母趾と中足骨骨頭痛はこうして生まれる

扁平足・開帳足が進行した状態では、足の前側への荷重のかかり方が大きく変わります。それが外反母趾や中足骨骨頭痛を引き起こす直接の引き金になることがあります。では、それぞれのメカニズムを見ていきましょう。

外反母趾への連鎖

横アーチがくずれると、体重を支える役割が第1中足骨(親指の骨)に集中しやすくなります。そこにつま先の細い靴や過回内による内側への押し込みが重なると、親指が外側に曲がりやすい状態が生まれます。

外反母趾は靴のせいだけではなく、足のアーチのくずれや過回内という土台の問題が大きく関わっています。靴だけを変えても根本的な改善につながらないのは、そのためです。

中足骨骨頭痛への連鎖

開帳足が進むと、第2〜第4中足骨の骨頭(指の付け根の骨の先端)に体重が集中するようになります。繰り返しかかる荷重が炎症を引き起こし、足の指の付け根あたりに慢性的な痛みが生まれます。

立ち仕事やランニングなどで症状が出やすいのは、荷重時間が長くなるぶん骨頭への負荷がさらに増えるからです。足の前側が常にじんわり痛むという方は、開帳足の進行を疑ってみてください。

複数の症状を同時に抱える方へ

外反母趾と中足骨骨頭痛を同時に持っている方は少なくありません。これは偶然ではなく、同じ原因から異なる症状が枝分かれして起きているケースがほとんどです。扁平足・開帳足・過回内という土台が変わらないかぎり、どちらも再発しやすい状態が続きます。

ひとつの症状だけにフォーカスしてケアを続けても改善が乏しい場合、足のアーチと後足部の動き(プロネーション)という根本的な部分が評価されていないことが原因であることが多いです

改善のために大切な考え方

これらの症状に共通して重要なのは、「足部全体のアライメントを評価すること」です。どのアーチがくずれているか、過回内の程度はどうか、歩行パターンにどんなクセがあるか、これらを包括的に把握することが改善の出発点になります。

特に重要なのが、踵骨(かかとの骨)の動きです。踵骨が内側に傾く動きがオーバープロネーションの中心にあり、その動きが足全体のアーチに連動して影響を与えます。

踵骨の動きと合わせて評価したいのが、内側縦アーチを支える後脛骨筋(こうけいこつきん)と、横アーチの維持に関わる長腓骨筋(ちょうひこつきん)の働きです。この2つの筋肉が適切に機能しているかどうかが、アーチの安定性に直結します。

踵骨のアライメント・後脛骨筋・長腓骨筋を総合的に評価してアプローチすることが、表面的なケアではなく根本的な解決につながります。

足底の筋肉を鍛えることが基本

アーチを支えているのは骨だけでなく、足底の筋肉群です。特に深部の第3層にある筋肉は横アーチの維持に重要で、足の指を細かく動かすトレーニングがこの筋肉群に働きかけます。

足底の筋力が向上することで、アーチが機能的に回復しやすくなります。インソールや靴の工夫と並行して、筋肉そのものへのアプローチが欠かせません。

靴とインソールは補助手段として活用する

過回内に対応したシューズや、アーチをサポートするインソールは有効な補助手段です。ただし、自分の足の形や歩行パターンに合っていないものを選ぶと逆効果になることがあるため、専門家の評価のもとで選ぶことをおすすめします

足の問題はひとつひとつを個別に対処するより、連鎖の全体像を把握してアプローチすることが遠回りしない解決策につながります。

私が大切にしているのは、表面に出ている症状だけを見るのではなく、その背景にある足部全体の動きを評価することです。

「何をやっても改善しない」と感じている方ほど、一度足のアライメントを見直すことをおすすめしたいと思っています。気になることがあればいつでもお気軽にご相談ください。


院長:近江

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