
院長:近江お気軽にご相談ください!
「最近、朝起きた時にかかとが痛くて…」というご相談。スポーツは特にしていないのに、なぜ足裏が痛くなるのかと戸惑っている方に向けて、今回はそのメカニズムについてお話しします。
スポーツをしていない方でも、足底筋膜炎は十分に発症します。長時間の立ち仕事や、加齢による身体の変化、体重の増加といった要因が重なることで、足裏への負担は知らず知らずのうちに積み重なっていきます。
「運動もしていないのになぜ?」という疑問をお持ちの方に、足底筋膜炎が起こる理由と対処法について詳しく解説します。


アスリートでなくても足底筋膜炎に悩む方からの相談は多いです


足底筋膜炎は、かかとの骨から足の指のつけ根まで広がる扇状の組織「足底筋膜(足底腱膜)」に炎症や損傷が生じた状態です。近年では「足底腱膜炎」と呼ばれることも増えており、同じ状態を指す言葉として使われています。
最も多い症状は朝の第一歩でかかとに痛みが走ることで、歩き続けるうちに和らいでいくのが特徴的です。
また、明確な炎症が認められない場合でも、慢性的なストレスが組織にかかり続けることで変性や機能低下が起きた状態を、足底腱膜症(Plantar fasciopathy・Plantar fasciosis)と呼ぶこともあります。
「痛みはあるけど炎症はないと言われた」という方は、この状態に当てはまる可能性があります。炎症期とはアプローチが異なるため、状態の正確な評価が大切です。
スポーツをしていなくても足底筋膜炎が起こる背景には、日常生活に潜む複数の要因があります。「どれだけ足底筋膜に負担がかかり続けているか」という視点で考えると、日常のなかにもリスクが潜んでいることが見えてきます。
特に次の三つが重なると、発症リスクが大きく高まります。
販売員、看護師、美容師、工場勤務など、一日中立って働く職業の方は足底筋膜への継続的な負荷にさらされています。立っているだけでも体重をかけ続けることで足底筋膜には牽引力が加わり続け、組織の修復が追いつかなくなることがあります。
硬いフローリングやコンクリートの上での長時間勤務は、衝撃吸収の乏しい環境として特にリスクが高いといえます。
年齢を重ねると、足底筋膜のコラーゲン繊維の弾力性が低下し、同じ負荷でも傷つきやすくなります。足裏の脂肪パッドと呼ばれるクッション層も薄くなるため、着地時の衝撃吸収力が衰えていきます。
また、足底を支える足の内在筋と呼ばれる小さな筋肉群が弱くなると、アーチがくずれやすくなり、筋膜への負担が増していきます。
特に注意が必要なのは、加齢によって足部が一定のアライメントに変形してしまっているケースです。
扁平足や外反母趾が進行した状態では構造そのものが変化しているため、セルフケアだけでは改善が難しく、治癒に時間がかかることが多くなります。早期に専門家へ相談することが重要です。
体重が増えると、歩行時に足底にかかる力も増大します。歩行時には体重の1.5倍程度の力が足底にかかるとされており、体重の増加に比例してこの負荷も大きくなります。
立ち仕事・加齢・体重増加の三つが重なった時、発症リスクは大幅に高まります。自覚がないまま足底への負担を積み重ねているケースが非常に多いです。
足裏のストレッチやマッサージは有効とされていますが、ボールでコロコロするだけではなかなか改善しないことが多いです。表面的な組織をほぐしているだけでは、根本にある足部の機能不全に対処できていないからです。
まず大切なのは、自分の状態に合ったセルフケアを知ることです。同じ足底筋膜炎でも、原因や状態によって効果的なアプローチは変わります。
ふくらはぎのストレッチを合わせて行うことで、アキレス腱への負担が減り、足底筋膜への牽引力を軽減できることもあります。
インソールや靴の見直しも重要で、クッション性やアーチサポートが不十分な靴を長時間履き続けると、改善が遅れてしまいます。立ち仕事の方は特に、仕事中の靴選びを見直す価値があります。
当院では足底筋膜炎に対して、足部だけでなく身体全体のバランスを評価した上でアプローチします。
少し専門的な話になりますが、中足部の動きや安定性をしっかり評価することが足部の機能回復においてとても重要なステップです。中足部の動きや安定性に問題があると足全体の機能が乱れ、足底筋膜への負担が増し続けてしまいます。
骨盤のバランスや下肢のアライメントがくずれていると、一方の足に負担が集中することもあります。カイロプラクティックの調整によって足部・足首・骨盤のバランスを整えることで、足底筋膜にかかる負担を根本から軽減していきます。
加齢による構造的な変化がある場合は、その状態に合わせた現実的なゴール設定と継続的なケア計画が必要です。
スポーツをしていなくても、足底筋膜炎になる要因は日常の中に多く潜んでいます。長時間の立ち仕事、加齢による体の変化、体重の増加は多くの方に共通するリスクです。
「ただ疲れているだけかも」と放置せず、自分の状態に合ったケアを早めに始めることが回復への近道です。
どんな些細な症状でも、一人で抱え込まずお気軽にご相談ください。あなたの足が本来の機能を取り戻せるよう、精一杯サポートします。

