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なぜ太ももがしびれる?大腿神経との違いから原因を探る

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「太ももの外側がジンジンしびれる」「なんとなく皮膚の感覚がおかしい気がする」

こんな症状が何ヶ月も続いているのに、「異常はない」と言われた経験はありませんか。同じ「太ももがしびれる」という訴えでも、原因となる神経によって症状の出方は異なります。

太もものしびれに関わる神経はひとつではありません。なかでも混同されやすいのが「大腿神経」「外側大腿皮神経」そして「坐骨神経」の三つです。

今回は、太もものしびれの原因を神経の視点から整理し、外側大腿皮神経痛がどのような状態なのかをわかりやすく解説していきます。どんな症状が出ているかを確認しながら読み進めてみてください。

院長:近江

太ももに出るしびれは、どの神経が関わっているかによって症状の場所も性質もがらりと変わります

目次

大腿神経・外側大腿皮神経・坐骨神経、それぞれの違い

同じ腰椎の周辺から出発しながら、走行する先も役割もまったく異なる複数の神経が太もものしびれに関わっています。

どの神経が障害されているかによって症状のパターンが大きく変わることは、意外と知られていません。ここでは代表的な三つの神経の特徴を整理しておきます。

大腿神経の症状の特徴

大腿神経(だいたいしんけい)は、腰椎の上部を起点とし、お腹の奥を走り、太ももの前面へと向かいます。

感覚だけでなく太もも前面の筋肉を動かす運動機能も担っているため、障害されると太ももの前側や内側のしびれ・痛みに加えて、膝を伸ばしにくくなったり、階段で踏ん張れなくなったりすることがあります。

日常動作への影響が出やすいのが、この神経の障害の特徴です。椎間板ヘルニアや腰椎の変性が原因になることも多く、画像検査で変化が確認されやすいケースに分類されます。

坐骨神経との違い

坐骨神経は、腰椎の下部からお尻を通り、太ももの後面からひざ下・足先へと伸びる体の中で最も太い神経です。坐骨神経痛の特徴は「症状が広い範囲に出ること」で、多くの場合お尻〜太もも後面〜ひざ下というルートに沿って痛みやしびれが現れます。

太もも外側だけに症状が限られていて、ひざ下には何も出ていないという場合は、坐骨神経よりも別の神経が関わっている可能性が高くなります。「坐骨神経痛と言われたが症状の場所がどうもしっくりこない」という方は、ぜひ一度確認してみてください。

外側大腿皮神経の症状の特徴

外側大腿皮神経(がいそくだいたいひしんけい)は、骨盤の外縁から鼠径靭帯の下を通り、太ももの外側の皮膚へと向かう純粋な感覚神経です。

この神経が障害されると、太もも外側だけにしびれ・ピリピリ感・灼熱感・感覚過敏などの感覚異常が現れます。筋肉を動かすはたらきを持たないため、どれだけ障害が進んでも筋力は変わらないことが最大の特徴です

症状の場所と性質で見分けるポイント

「どこに症状が出ているか」「筋力の変化があるか」「ひざ下まで症状があるか」という3つの視点で確認してみます。下の表を参考にしてください。

比較項目大腿神経外側大腿皮神経坐骨神経
しびれの場所太もも前面〜内側太もも外側のみお尻〜太もも後面〜ひざ下
筋力への影響あり(膝が伸ばしにくい)なし出ることがある
感覚の特徴しびれ・鋭い痛みピリピリ・灼熱感・過敏しびれ・放散痛
ひざ下への症状出ることがあるほとんどない出ることが多い
画像検査異常が見つかりやすい「異常なし」になりやすい異常が見つかりやすい

外側大腿皮神経の障害は、レントゲンやMRIで「異常なし」と判断されてしまうことが少なくありません。純粋な感覚神経の圧迫は画像には映らないからです。

「検査では問題ないと言われたのに症状が続いている」という方に多くみられるのが、この外側大腿皮神経の圧迫によるパターンです

外側大腿皮神経痛は「神経絞扼障害」のひとつ

外側大腿皮神経痛は、医学的には「神経絞扼障害(しんけいこうやくしょうがい)」に分類されます。絞扼とは「締め付けること」を意味し、神経が骨や靭帯、筋肉などの組織に挟まれたり締め付けられたりすることで症状が引き起こされます。

この障害で重要になるのが「どこで圧迫されているかを特定すること」です。外側大腿皮神経の場合、最も多い絞扼部位は鼠径靭帯の下、骨盤の前面から脚の付け根にかけての境界あたりです。

ただし、骨盤まわりの筋肉やその他軟部組織が関与するケースや、複数の部位で同時に圧迫が起きているケースも少なくありません。

圧迫されている部位が特定されていなければ、どれだけセルフケアや施術を続けても症状は繰り返してしまいます。「ストレッチしているのに改善しない」「一時的に楽になるがすぐ戻る」という方は、絞扼部位の評価が不十分な可能性を一度疑ってみてください。

日常生活に潜む主な原因

外側大腿皮神経は、鼠径靭帯の下のわずかなすき間を通るという構造上、少しの外圧でも影響を受けやすい神経です。原因のほとんどは日常生活のなかに潜んでいます。思い当たることがないか、ひとつひとつ確認してみてください。

締め付けと長時間の同一姿勢

最も多いのが、きついベルトやズボン、骨盤ベルト、ガードル、コルセットなど腹部や鼠径部を締め付けるものによる外圧です。鼠径部への圧迫が長時間続くことで、神経が絞扼されてしまいます。

体重増加や内臓脂肪の蓄積も、鼠径部周辺の圧力を高めるリスクとして知られています。

長時間のデスクワークや車の運転など、股関節を曲げた姿勢が続く習慣も見逃せません。股関節屈曲位が続くと腸腰筋が短縮しやすくなり、鼠径靭帯周辺の組織の張りが増して神経への圧迫が強まります。

妊娠後期に太もも外側のしびれが出るケースも多く、子宮の増大による同様のメカニズムが関わっています。

スポーツ場面での注意点

スポーツをされている方に意外と多いのが、ロードバイクによる長距離サイクリングとの関連です。前傾姿勢での乗車が長時間続くと、鼠径部への繰り返しの圧迫が加わりやすくなります。

長距離ランニングでも、骨盤前傾や腸腰筋の柔軟性低下が誘因になることが報告されています。「走るとしびれが出る」「サイクリング後に太もも外側がおかしい」と感じたことがある方は、この神経の状態を一度確認してみることをおすすめします。

カイロプラクティックのアプローチ

当院では太もものしびれに対して、感覚の評価や整形外科的テストを組み合わせながら「どの神経が関与しているか」「どこで圧迫されているか」をしっかり評価することを最初のステップとしています。

外側大腿皮神経の絞扼が疑われる場合は、絞扼部位を特定したうえで、腰椎・骨盤・股関節のバランスを整えながら鼠径部への圧迫を解除していくアプローチを行います。

施術と並行して腸腰筋のストレッチや姿勢・ベルトの見直しなどのセルフケア指導も行い、再発しにくい身体をつくっていくことを大切にしています。

太もものしびれは、原因となる神経と絞扼部位を正確に見極めることが根本的な改善への確かな一歩になります。「どこに行っても異常がないと言われた」「坐骨神経痛と診断されたがしっくりこない」という方も、一人で抱え込まないでください。

些細な疑問でも遠慮なく相談していただけたら、一緒に原因を探していきます。


院長:近江

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