
院長:近江お気軽にご相談ください!
歯磨きをしている時、口を開けているのがつらい、顎がだるくなってくる、そんな経験はありませんか。毎日の習慣である歯磨きですが、実は顎関節症の方にとっては意外と負担のかかる動作なのです。口を開けたまま細かく手を動かす歯磨きは、顎周りの筋肉を持続的に使い続ける動作です。
健康な方であれば何でもない動作でも、顎関節症でお悩みの方にとっては筋肉の疲労や痛みを引き起こすきっかけになります。今回は、歯磨き中に特に硬くなりやすい筋肉について、カイロプラクティックの視点から詳しくお伝えします。


私自身も顎関節症に悩まされた一人です。歯磨きという日常動作だからこそ、顎への負担を理解しておくことが大切です。


歯磨きという動作を分解してみると、口を開けた状態を数分間キープしながら、細かく手を動かし続けることになります。この「開けたまま保持する」という動作が、実は顎周りの筋肉にとって負担となることがあります。
通常、口を閉じるための筋肉は強く発達していますが、開けた状態を維持する筋肉は比較的小さく疲れやすい特徴があります。
さらに歯磨き中は鏡を見るために首を前に出す姿勢になりやすく、この姿勢が顎関節や周囲の筋肉へさらなるストレスを加えてしまいます。
顎関節症の症状がある方は、この負担に筋肉が耐えられず、痛みや疲労感として現れることが多いです。筋肉は瞬間的に大きな力を出すことよりも、小さな力を長時間出し続けることの方が疲労しやすいという特性があります。
顎関節症で歯磨き中に特に硬くなりやすい筋肉には、いくつかの代表的なものがあります。これらの筋肉は互いに連携して働いているため、一つの筋肉に問題が生じると他の筋肉にも影響が広がっていきます。
咬筋は頬骨の下から顎の角にかけて走る、噛むための主要な筋肉です。歯磨き中に口を開けている時でも、姿勢を保つために常に微細な緊張状態を保っています。
顎関節症の方はこの咬筋が過度に発達していたり、常に緊張していたりすることが多く、歯磨きのような持続的な開口動作で疲労が蓄積しやすいです。咬筋が硬くなると、頬の部分に重だるさや痛みを感じたり、奥歯の周辺に違和感を覚えたりします。
側頭筋はこめかみの部分を覆う大きな筋肉で、咬筋と協力して噛む動作を行います。開口時には引き延ばされる形になるため、歯磨き中の持続的な開口で特にストレスを受けやすい筋肉です。
側頭筋の緊張は頭痛の原因になることも多く、特にこめかみから側頭部にかけての締め付けられるような痛みとして現れます。
翼突筋は顎の内側にある筋肉で、口を開ける動作と閉じる動作の両方に関わる複雑な働きをしています。特に外側翼突筋は顎関節の関節円板と直接つながっているため、この筋肉の緊張が顎関節症の症状と深く関連しています。
翼突筋が硬くなると、口の開閉時に顎がカクカクと音を立てたり、スムーズに開かなくなったりします。
顎二腹筋は顎の下から首にかけて走る筋肉で、口を開ける動作の主役となります。歯磨き中に開口状態を維持するために常に働き続けるため、疲労しやすい筋肉の一つです。
この筋肉が疲労すると、顎の下や首の前面に重だるさを感じたり、飲み込む動作がしづらくなったりします。
顎関節症で筋肉が硬くなる背景には、使いすぎている筋肉と上手く使えていない筋肉のアンバランスが大きく関わっています。例えば咬筋や側頭筋は過度に働いているのに、顎を開ける筋肉である顎二腹筋や舌骨周囲の筋肉が十分に機能していないというケースが多く見られます。
このような筋肉の偏った使い方が、顎関節への負担を増やし症状を引き起こすことにつながります。
顎関節症の多くは小さい頃からの癖が影響していることがあります。片側ばかりで噛む癖、頬杖をつく癖、うつ伏せで寝る癖など、子どもの頃からの習慣が積み重なって、成人してから症状として現れることも少なくありません。
そのため成人になってからの顎関節症のケアは、長年積み重ねてきたパターンを変えていく必要があり、根気強く取り組むことが大切になります。
歯磨きの方法や道具の選び方については歯科の専門領域になりますので、ここでは基本的な知識のみお伝えします。
鏡の位置を目線の高さに調整して前かがみにならないようにすることや、途中で休憩を挟んで筋肉を休ませることは、顎への負担軽減に役立ちます。
ただし、歯磨きの詳しい方法や口腔ケアについては、かかりつけの歯科医師に相談されることをおすすめします。
顎関節症の改善には、硬くなりすぎている筋肉を緩めるだけでなく、上手く使えていない筋肉を活性化させるバランスの取れたアプローチが必要です。
そのためには、ご自身の状態に合ったセルフケアやエクササイズを取り入れることが大切になります。
例えば、使いすぎている咬筋や側頭筋には優しいマッサージやストレッチを行い、一方で弱くなっている顎を開ける筋肉には適切な開口訓練を行うといった具合です。
しかし、どの筋肉が使いすぎでどの筋肉が弱っているかは個人差が大きいため、専門家による評価を受けて、あなたの状態に合ったアドバイスをもらうことが理想的です。
顎関節症の症状が続く場合、歯科、口腔外科、顎関節症の専門外来などを受診することもとても重要な選択肢です。
顎関節症の原因は多岐にわたるため、噛み合わせの問題が関与している場合は歯科的なアプローチが必要ですし、関節そのものに器質的な問題がある場合は口腔外科での精密検査が必要になることもあります。
カイロプラクティックでは、顎関節そのものだけでなく、首の骨や姿勢、筋肉のバランスを総合的に評価します。顎関節の動きに制限がある場合、それを改善するための施術を行いますし、筋肉のアンバランスに対しては適切なエクササイズをご提案します。
なぜ筋肉のバランスがくずれてしまったのか、その背景にある姿勢の問題やストレスへの対処、日常生活での癖なども含めて、包括的にサポートしていきます。
歯磨きという何気ない日常動作が、顎関節症の方にとっては筋肉への負担となることがあります。咬筋、側頭筋、翼突筋、顎二腹筋といった筋肉は、開口を維持する動作で特に硬くなりやすく、疲労や痛みの原因となります。
これらの症状の背景には、使いすぎている筋肉と上手く使えていない筋肉のアンバランスがあり、小さい頃からの癖が影響していることも多いため、改善には根気強い取り組みが必要です。
ご自身の状態に合ったセルフケアやエクササイズを取り入れることはもちろん、歯科や口腔外科、顎関節症の専門外来などの受診も視野に入れながら、総合的にアプローチしていくことが大切です。
顎の痛みや違和感を我慢しながら過ごすのではなく、原因を明らかにして改善していくことで、快適な日常を取り戻すことができます。もし歯磨き中の顎の症状でお悩みでしたら、一人で抱え込まずにぜひご相談ください。あなたの状態をしっかりと評価し、最適なアプローチをご提案いたします。

