
院長:近江お気軽にご相談ください!

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「なんだか最近、膝が深く曲げられない気がする」そんなことを感じ始めていませんか?
和室に通されて床に座ろうとしたとき、スーパーで低い棚のものを取ろうとしたとき、あるいはお風呂の浴槽をまたごうとしたとき。膝を深く曲げる場面のたびに痛みや違和感が出る、というご相談はとても多いです。


今回は、正座やしゃがむ動作がつらくなる原因と、身体の中で何が起きているのか、そして日常でできることについて、わかりやすくお伝えしていきますね。


「正座ができなくなった」というご相談をお聞きすると、膝蓋大腿関節に問題があることは珍しくありません
膝を深く曲げる動作には、体重の3〜5倍もの力が膝関節にかかると言われています。ただ歩くだけならそこまでの負担はなくても、しゃがんだり正座したりするだけで膝への圧力は一気に跳ね上がります。
そのため、膝周囲に何らかの問題があると、深い屈曲を伴う動作で真っ先に症状が出やすくなります。特に膝のお皿(膝蓋骨)まわりのトラブルでは、膝を曲げるほど症状が強くなる傾向があります。
「しゃがめばしゃがむほど痛い」「途中までは曲がるのに最後まで曲げられない」という方は、膝蓋骨に関わる問題が背景にある可能性があります。
「膝を深く曲げるのがつらい」という症状は、日常生活のさまざまな場面でふと気づくことがあります。自分の状態と照らし合わせながら読んでみてください。
| 場面 | 起こりやすい症状 |
|---|---|
| 和室・畳の上での正座 | 膝の前面・膝蓋骨周囲の痛みや圧迫感 |
| 低い棚や床のものを取るとき | しゃがみ込むと膝が痛い・途中で止まってしまう |
| 長時間座ったあとの立ち上がり | 最初の一歩が特につらい・こわばる |
| 階段の昇り降り | 特に下りでズキッとした痛みが走る |
| 浴槽への出入り | またぐ際に膝を曲げるタイミングで痛む |
これらのうち複数に当てはまる場合、膝蓋骨まわりの問題が関係している可能性があります。ひとつひとつは「大したことない」と感じるかもしれませんが、複数の場面で症状が出ているなら早めに向き合っておきたいサインです。
正座やしゃがむ動作がつらくなる背景には複数の原因が絡み合っており、膝だけを見ていても解決につながらないことがほとんどです。筋力・柔軟性・そして身体全体のアライメントが複雑に関係しています。
膝を深く曲げるたびに痛みや引っかかり感が出る場合、膝蓋大腿疼痛症候群(PFPS)が背景にある可能性があります。PFPSとは、膝のお皿(膝蓋骨)が正常な軌道からずれた状態で動き続けることで、大腿骨との間に過剰な摩擦や圧力が生じる状態のことです。
膝蓋骨は膝を曲げるほど大腿骨の溝に深く押しつけられる構造になっているため、トラッキングが乱れていると正座やしゃがみ動作で症状が強まります。ランナーだけでなく、デスクワーカーや家事をされる方にも多く見られます。
大腿四頭筋の中でも特に内側を担う内側広筋の筋力が低下すると、膝蓋骨が外側に引っ張られやすくなります。また、ハムストリングスや大腿四頭筋の柔軟性が不足していると、膝関節の可動域が制限されて正座姿勢まで膝を曲げることができなくなります。
筋力と柔軟性はどちらか一方だけでなく、両方のバランスを整えることが大切です。自覚がないまま少しずつ筋力が落ちているケースも多いため、意識的なケアが必要です。
PFPSは、膝だけを見ていてもなかなか変化が出にくい膝の痛みの代表格です。その大きな理由のひとつが、骨盤帯のバランスの乱れと股関節周囲の筋力不均衡が、膝蓋骨のトラッキング異常を引き起こしているケースが非常に多いからです。
股関節の外転筋(特に中殿筋)が弱くなると、動作のたびに骨盤が不安定に揺れ、その影響が膝に伝わって余分なストレスがかかります。骨盤帯のバランスがくずれたまま膝だけにアプローチを続けても、根本的な解決にはなりません。
また、股関節自体の柔軟性が不足していると、しゃがもうとしたときに股関節が十分に動かず、その分の負担がそのまま膝に集中してしまいます。「しゃがめない」という悩みの意外な原因が股関節にあることは、決して珍しくないです。
足部のアーチがくずれて足が内側に倒れ込む(オーバープロネーション)状態が続くと、地面からの衝撃が膝に異常な方向で伝わり、膝蓋骨への偏った圧力につながります。
足首の動きのバランスが乱れているだけで、膝への負担は大きく変わります。「膝が原因」と思い込んで膝だけをケアしても変化が出にくいのは、こうした全身のつながりが見落とされているからです。
骨盤帯のバランスを整え、股関節や足関節の動きのバランスを正常に戻すことは、カイロプラクティックが最も得意とする領域のひとつです。
関節ひとつひとつの動きを丁寧に評価し、動きが制限されている部位に直接アプローチすることで、膝への連鎖的なストレスを根本から軽減していくことができます。
「膝が痛いのに股関節や足首を見る必要があるの?」と感じる方もいるかもしれません。しかし身体は全身がつながっており、特に骨盤帯・股関節・膝・足部はひとつの機能的なユニットとして動いています。
PFPSが慢性化しやすいのは、このつながりを無視したケアが続いていることが多いためです。
専門家によるアプローチと並行しながら、日常の中でできることを少しずつ取り入れることが状態の安定につながります。ただし、痛みが強い状態での無理な動作は逆効果になることもありますので、「痛みが出ない範囲で行う」ことを必ず守ってください。
大腿四頭筋・ハムストリングス・股関節まわりの筋肉が硬くなると、膝関節の可動域が狭まります。これらを日常的にストレッチして柔軟性を保つことで、正座やしゃがみ動作の際の膝への負担が和らぐことがあります。
内側広筋と中殿筋(骨盤を安定させる股関節の筋肉)の筋力を維持することが、膝蓋骨の正常なトラッキングを保つうえで重要です。これらが弱いまま動作を繰り返すと膝蓋骨への偏った負荷が続いてしまいます。痛みが出ない範囲で少しずつ継続することが基本です。
膝蓋骨の動きをサポートするテーピングは、日常動作の際の負担を和らげる補助的な手段として有用です。貼り方によってサポートの方向を調整できるため、専門家に適切な方法を確認したうえで取り入れると安心です。サポーターと組み合わせることで、より安定感が増す場合もあります。
「正座ができない」「しゃがめない」という変化は、身体が出している大切なサインのひとつです。「年のせいかな」と片付けてしまうのではなく、きちんと原因を知ることで対応の選択肢が広がります。
膝の問題は膝だけを見ていても変化が出にくいことが多く、骨盤帯・股関節・足部を含めた全身のバランスを整えることが、遠回りしない一番の近道だと感じています。ひとりで抱え込まずに、気になることがあればいつでもお気軽にご相談ください。

