
院長:近江お気軽にご相談ください!

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「私、ほとんど走っていないのに膝の外側が痛くて…」こんな経験をされた方はいませんか。実は、ランニングをしていない方でもランナー膝と同じ症状を起こすケースは珍しくありません。


特に多いのが、毎日長時間座って仕事をしているデスクワーカーの方です。「走っていないから関係ない」と放置してしまいがちですが、それが回復を遅らせる大きな落とし穴になっています。
この記事では、なぜデスクワーカーにランナー膝と同じ症状が起こるのか、そのメカニズムと日常でできる対策について詳しくお伝えします。


「走っていないのに膝の外側が痛い」というご相談はとても多いです。原因が日常の座り姿勢にあるケースも多く、生活習慣の見直しが改善への近道になることがあります
ランナー膝とは、膝の外側を走る腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)が大腿骨の出っ張りと繰り返し接触し、炎症を起こす障害です。正式名称は腸脛靭帯炎(ITBS)といい、スポーツ障害の中でもとても頻度が高いものとして知られています。
名前に「ランナー」と入っているため、走っている人にしか起きないと思われがちですが、それは誤解です。
わかりやすい例で言うと、テニス肘やゴルフ肘という障害があります。これらもテニスやゴルフをまったくやらない方に起こる場合の方が多く、名前のスポーツとは関係のない原因で生じています。
ランナー膝も同じで、名前よりも「どんなメカニズムで腸脛靭帯に負荷がかかるか」を考えることの方がずっと大切です。
長時間の座位姿勢による筋機能の低下や関節の硬さが積み重なった状態でも、同じ炎症のメカニズムが起こることがあります。走らなくても、日常生活の動作だけで腸脛靭帯に十分な負荷はかかっています。
なぜ座っているだけで膝の外側に痛みが生じるのでしょうか。一見すると不思議に思えますが、長時間の座位が身体へ与える影響を知ると、そのつながりが見えてきます。デスクワークが腸脛靭帯にダメージを与えるルートは、主に次の3つです。
椅子に深く座り、股関節を曲げた姿勢を長時間続けると、股関節の前面にある腸腰筋(ちょうようきん)が縮んだ状態で固まります。一方で、日常的に使われるべきお尻の筋肉(殿筋群)は、座っている間はほぼ休眠状態になります。
このアンバランスが積み重なると、立ち上がった時や歩く時に殿筋がうまく使えず、その分の負荷が腸脛靭帯を含む脚の外側に集中しやすくなります。これが、走っていなくても膝外側に痛みが出る直接的な理由のひとつです。
中殿筋はお尻の外側にある筋肉で、歩行中や片脚で身体を支える時に骨盤を水平に保つ役割を担います。この筋肉が弱まると、階段の昇降や少し長めの歩行でも骨盤が横に傾き、膝が内側に入りやすい状態になります。
中殿筋の機能低下は、腸脛靭帯が引っ張られる力を増幅させるとても大きな要因のひとつです。座りっぱなしの生活が続くほど、この筋肉はどんどん使われなくなります。走らなくても、日常動作だけで腸脛靭帯に炎症を起こすには十分な負担がかかっています。
股関節の前面が硬くなると、骨盤が前方に引っ張られる力が常時かかるようになります。腸脛靭帯は骨盤の外側から膝の下まで伸びる組織ですから、骨盤のバランスが変わると靭帯全体のテンションも変化します。
この慢性的な緊張状態が続いた結果、ちょっとした動作でも摩擦と炎症が起きやすい身体が作られます。
こういったお悩みをお持ちの方は、思いのほかたくさんいらっしゃいます。以下に当てはまるものがないか、確認してみてください。
これらの症状が続いている場合、膝そのものに問題があるというよりも、股関節・骨盤まわりの機能低下が根本にある可能性を疑う必要があります。膝だけを診ていても、なかなか改善しないのはその為です。
専門家に診てもらう前に、日常生活の中で取り組めることもあります。もちろん、痛みが強い場合や長引く場合は早めにご相談いただくことが大切ですが、まずは日常習慣の見直しから始めてみましょう。
長時間の連続した座位を避けることが、まず一番の予防になります。60〜90分に一度は立ち上がり、股関節を軽く動かすだけで、筋肉の緊張は大きく変わります。難しければ、デスクでできる股関節のストレッチを数十秒行うだけでも身体への影響は変わります。
骨盤が後ろに倒れた「骨盤後傾」の姿勢は、腸腰筋を縮め、殿筋の活動を低下させます。坐骨で座面を押すようなイメージで骨盤を起こし、軽く腰に前弯をつけた状態で座ると、股関節まわりへの悪影響を減らすことができます。
座っている間に休眠状態になっている殿筋を、日常の中で意識的に使う場面を増やすことが大切です。エレベーターより階段を使う、少し遠回りして歩くなど、小さな積み重ねが殿筋の機能回復につながります。
具体的なエクササイズについては、身体の状態を確認したうえで個別にご案内できます。
当院では、膝の外側に痛みを抱えている方に対して、膝だけをみることはしません。痛みが出ている部位は「結果」であり、「原因」は股関節・骨盤・腰椎を含めた全体の機能連鎖の中にあることが多いからです。
姿勢分析や整形外科的なテスト、動作評価を組み合わせることで、その方の身体で何が起きているかを可視化します。デスクワーカーの方の場合、骨盤のバランスや仙腸関節の動きの制限が見つかることが多く、そこへのアプローチが症状改善の鍵になるケースが少なくありません。
「整形外科でレントゲンを撮ったが異常なし」「湿布を変えても一向に改善しない」という方がご来院されることもとても多いです。画像に映らない関節の動きの問題や筋機能の低下は、こういった評価でしか見えてきません。走っていないのに膝が痛い、その理由を一緒に探しましょう。
「ランナー膝」という名前に惑わされないでください。この症状は、デスクワークで積み重なった身体のアンバランスが引き金になることが十分にあります。大切なのは痛みをごまかすことではなく、なぜその状態が起きているのかを理解することです。
見方を変えれば、膝の外側の痛みは「もっと身体を動かして、日常習慣を整えてほしい」という身体からのサインかもしれません。デスクワーカーの方にとっては、運動習慣を改める良いきっかけになることもあります。
一人で抱え込まずに、症状のことだけでなくそういったことも含めて気軽にご相談ください。あなたの身体の状態を丁寧に確認したうえで、最適な方法をご提案します。

