
院長:近江お気軽にご相談ください!

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走っている途中、脇腹が差し込むように痛くなったことはありませんか?ペースを落とすと引いてくるものの、また同じ場所が痛くなる。そんな方は多いと思います。


この痛みは「差し込み痛(サイドステッチ)」と呼ばれます。ランナーの約7割が1年間に経験したという報告があり、とても身近な症状です 。
差し込み痛は、「横隔膜がつった」「お腹の筋肉がけいれんした」と説明されることがよくあります。しかし、論文ではこれらに否定的な結果が紹介されています 。
現在は、お腹の内側を覆う膜(壁側腹膜)が刺激されているという考え方が、最も説明しやすいとされています。ただし、まだ確定ではありません 。
差し込み痛は、体幹を伸ばした姿勢で、上下の揺れや回旋をくり返す運動で起こりやすいとされています。ランニングや乗馬が代表例です 。
走る前の飲食も関係します。たくさん食べた後や、糖分の濃い飲み物を飲んだ後に出やすいことが報告されています 。
背骨が原因だと言い切れるわけではありません。ただ、論文では背骨や体幹の状態が関わる可能性を示す研究が紹介されています 。
飲食を見直しても同じ場所が痛くなる場合は、背骨や体幹の使い方に目を向けてみる価値があります。
当院では、次の点を確認します。
下部胸椎を触ると、いつもの差し込み痛が再現されたランナーがいたという報告もあるので、背骨まわりの状態を丁寧に評価します。
胸椎や肋骨の動きが小さくなっていた場合は、背骨や肋骨へのアジャストメント、周囲の筋肉へのアプローチを行います。走る時に、胸郭がスムーズに動ける状態をつくることが目的です。
胸椎の動きが小さいと、走る時の上下動や回旋の負担が、腰や腹部まわりに集まりやすくなると考えられます。胸椎が動きやすくなれば、その負担が分散される可能性があります。
ただし、手技で差し込み痛が減ることを確かめた研究は、まだありません。そのため当院では、差し込み痛を治すものというよりは、身体の土台を整える選択肢のひとつとして、変化を確認しながら進めます。
論文では、体幹の筋力が高く、深い腹筋(腹横筋)がしっかりしているランナーほど、差し込み痛が少ない傾向だったと紹介されています 。
体幹が安定していると、走っている間の身体の揺れを抑えやすいと考えられます。当院では、無理のない運動から、次の順に進めます。
体幹トレーニングで差し込み痛を防げるかどうかは確立されているわけではないため、身体の使い方を整える取り組みとして、一緒に確認していきます。
運動をやめても痛みが続く時や、安静時にも腹痛がある時は、先に医療機関で確認してください。運動時の腹痛には、別の原因が隠れていることもあります 。
そのうえで、差し込み痛をくり返す方は、胸椎や肋骨の動き、体幹の使い方を一緒に評価しましょう。当院では「評価 → 必要な介入 → 再評価」の流れで進めていきます。


- Morton DP, Callister R. Exercise-related transient abdominal pain (ETAP). Sports Med. 2015;45(1):23-35.