
院長:近江お気軽にご相談ください!

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ジムでの筋トレを日課にしている方の中に、顎の違和感や痛みが気になりながらも、どうケアすればいいかよくわからず様子を見ているという方はいませんか。
顎のことは気になるけれど、具体的に何をすればいいのかわからない、という方が正直なところではないでしょうか。


日常的に筋トレをしている方は、意識しないうちに顎関節症につながる負担を顎に積み重ねていることがあります。今回は、筋トレを続けながら顎関節に気をつけてセルフケアするための考え方について、スポーツケアの視点からお伝えします。


筋トレを続けるからこそ、顎へのケアを意識してほしい
筋トレと顎関節の関係は、トレーニーが十分に把握できていないポイントのひとつなように思います。
特に、仕事はデスクワーク中心でジムに通っているという方は注意が必要です。長時間のパソコン作業でスマホ首や前かがみの姿勢が続いた上に、ジムでの食いしばりが加わることで、顎への負担が二重に積み重なりやすくなります。
高強度のトレーニングを繰り返すことで顎関節には想像以上の累積負荷がかかっているため、その仕組みを理解することがセルフケアの第一歩になります。
スクワット、デッドリフト、ベンチプレスといった複合種目では、力を発揮するために無意識に歯を食いしばることがほぼ避けられません。
これは腹圧を高めて身体を安定させるための自然な反応ですが、週に複数回トレーニングを繰り返すことで、この食いしばりが慢性的な顎への過負荷として蓄積されていきます。
デスクワーク中にすでに顎周りの筋肉が緊張した状態でトレーニングに臨んでいるとすれば、その影響はさらに大きくなります。
トレーニングの後半セットでは疲労により姿勢がくずれやすくなります。首が前に出る、肩が内巻きになるといったフォームのくずれは、首周りの筋肉への過負荷を招き、その緊張が顎関節へと連鎖します。
フォームの維持を優先することは、長期的なパフォーマンス維持と顎関節保護の両面から重要な判断です。デスクワークで既に姿勢に問題を抱えている方は、特に意識してみてください。
日常的に筋トレをしている方が顎関節のセルフケアを取り入れるためには、トレーニングのルーティンに自然に組み込める習慣を選ぶことが継続のコツです。
なお、セルフケアの具体的な方法は個人の状態によって合う合わないがあるため、まず専門家に状態を評価してもらった上で取り入れることをおすすめします。
食いしばりへの対策としてマウスピースをお考えの方は、まず歯科にご相談ください。
全身のウォームアップと合わせて、顎周りを軽くケアしてからトレーニングを始めることで、高重量セット中の過度な緊張を和らげる助けになります。
咬筋(頬の噛む筋肉)や側頭筋(こめかみの筋肉)を指の腹でやさしくほぐす動作は、身体のウォームアップと同じ感覚で取り入れることができます。
デスクワーク後にそのままジムへ向かう日は、特にこのウォームアップを丁寧に行うことをおすすめします。
セットとセットの間のインターバルは、顎関節のセルフケアに活用できる時間です。
首の深部にあるインナーマッスル(深頸部屈筋)を活性化させる小さな動作をインターバル中に取り入れることがあります。この首の深層筋が適切に機能することで頭部が正しい位置に保たれ、顎関節への間接的な負担を軽減することにつながります。
特にデスクワークでスマホ首が習慣化している方は、この筋肉が弱くなりやすいため、意識的に活性化させることが重要です。具体的なやり方は個人の状態によって異なるため、専門家に正しい方法を確認してから行うことをおすすめします。
トレーニング後のクールダウンに、顎周りのケアを加えることもおすすめします。
トレーニング後に咬筋・側頭筋を再度ケアし、顎を軽く動かしてリラックスさせることで、翌日に持ち越す緊張を軽減できます。
この習慣が定着すると、朝起きた時の顎のだるさが変わってくることがあります。就寝前に行うことも、睡眠中の食いしばりを和らげる上で効果的です。
筋トレをしている方は筋肉への関心が高いため、顎関節に関わる筋肉の構造を知ることがセルフケアの動機づけにもなります。「気になるけどよくわからない」という方のために、顎関節症との関連が深い筋肉について整理します。
咬筋と側頭筋は、噛む動作の主役となる筋肉です。トレーニング中の食いしばりの影響を最も強く受けるのがこの2つで、慢性的にオーバーワークになっている状態が顎関節症の症状として現れやすい典型的なパターンです。
デスクワーク中の無意識の食いしばりや歯の接触癖(TCH)によって日中からすでに緊張が蓄積しており、ジムでのトレーニングがさらに追い打ちをかけるという流れが筋トレをしながらデスクワークをしている方には起こりやすいです。
顎の下から首にかけて広がる舌骨筋群は、顎を開ける動作や飲み込む動作に深く関わる筋肉群です。特に顎二腹筋は、周囲の深層筋のサポートが不十分な時に代わりに過剰に働く、いわば代償的なオーバーワークを起こしやすい筋肉です。
咬筋・側頭筋のケアだけでなく、この舌骨筋群のバランスまで含めた評価が、顎関節症の根本的な改善には重要です。
顎の内側深部にある翼突筋は、顎関節のケアを考える時にあまり意識されない部位のひとつです。
外側翼突筋は顎関節内の関節円板と直接つながっており、口の開閉時のカクカク音や引っかかり感に関与することがあります。
口の奥深くにあるためセルフケアで直接アプローチするのが難しい部位ですが、顎の症状を根本から考える上で欠かせない筋肉のひとつです。
首の深部にあるインナーマッスルは、頭部を正しい位置に保つための安定筋群です。デスクワーク中心の生活ではこの筋肉が特に弱くなりやすく、筋トレで全身を鍛えているトレーニーでも機能が低下しているケースは少なくありません。
この筋肉の働きが低下すると首の表層筋が代わりに過剰に働くようになり、顎関節への負担増加にもつながります。
SNSやYouTubeには顎関節症のセルフケア情報が多く出回っており、気軽に試してみたくなる方もいるでしょう。しかし個人的には、評価なしに自己流でセルフケアを始めることはおすすめしません。
トレーニングプログラムを組む時と同じように、まず現状の評価があって初めて適切なアプローチが決まります。あるエクササイズが効果的な方もいれば、同じことをすることで状態が悪化してしまう方もいます。
専門家に現在の顎と身体の状態を評価してもらい、自分に合ったセルフケアを教えてもらうことが、最も効率よく安全に回復へつながる方法です。
筋トレを続けながら顎の症状を改善したいとお考えの方は、ひとりで抱え込まずにぜひご相談ください。あなたの身体の状態をしっかりと評価した上で、トレーニングを継続しながらできる最善のアプローチをご提案します。

