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膝と足底の不調が続くトレイルランナーへのスポーツカイロプラクティックケア。足部だけを診ない全身アプローチとは【ケースレポート】

本日の予約状況

近年の50kmレース後からさらに状態が悪化し、下りの走行時の左膝の痛みと慢性的な左足底の不調に悩んでいた40代・男性のケースレポートをご紹介します。

次の月のレース完走を直近の目標に、将来的には100km超のウルトラトレイルへの挑戦を見据えて、スポーツカイロプラクティックによる総合ケアを開始しました。

来院時の症状(主訴)

40代のトレイルランナー。マラソン・トレランともに10年以上のキャリアをもつ経験者だが、近年は左膝と左足底の痛みによる不調が続いていた。先日完走した50kmレースを機に状態がさらに悪化した。

具体的なお悩みは以下のとおり。

  • 左膝の痛み:下り坂での走行時に特に増悪する
  • 左足底の痛み:常時持続する鈍痛・圧迫感
  • 朝起きた時の足底のこわばり:歩き始めの数歩がつらい
  • ストレスとパフォーマンスの低下:常に痛みを意識している状態で、集中力とパフォーマンスが上がらない

以前に足底腱膜炎と診断を受けたことがあり、同様の状態が再び出ているものと考えられた。ある程度の距離を走らないと不調が出ないため日常生活への影響は限定的だったが、状態のさらなる悪化を強く懸念していた。

来院に至るまでの経緯

来月に控えたトレランレースへの参加と、将来的にはより長い距離のレース(ウルトラトレイル)への挑戦を目標に、根本的なアプローチを模索していたところ、スポーツカイロプラクティックを見つけて来院された。

来院時のご要望・目標:

  • 来月のレースを無事に走り切ること
  • 状態をこれ以上悪化させないこと
  • 将来的により長い距離のトレランレースに出場すること

評価と所見

初回評価の結果と考察は以下の通りです。

初回評価

  • VSC(脊椎・骨盤帯の機能不全):C2/3・T6/7 、右仙腸関節・仙骨、中部胸椎の可動性低下
  • 四肢・関節の機能不全:左股関節伸展、左脛骨内旋、両側の腸脛靭帯の張り、左舟状骨・左内側楔状骨への圧痛、左後脛骨筋の張り・機能低下
  • 筋バランス:左腸骨筋の張り、右後頭下筋群の張り、右肩内旋の制限
  • 動作評価:片足立ちでの前額面方向への不安定性
  • 姿勢評価:頭部前方位
  • 既往歴・生活歴:左足底腱膜炎の既往歴および現在の状態

考察

左腰椎・股関節・骨盤複合体(LPHC)のバランス不全が根底にあり、そこから派生して左足部の後足部の動きに制限が生じているものと判断した。後足部の動きの制限は内側縦アーチと舟状骨への過剰な負荷につながっており、横アーチの機能も十分に発揮できていない状態であった。

また、頭部前方位姿勢に伴う胸椎の硬さが腕の振りを妨げており、上半身と下半身のクロスパターンによる連動が損なわれていることも、下肢への負担増加に関与していると考えられた。

アプローチの方針として、足部だけに着目するのではなく、腕の振り → LPHCのバランス → 足部機能という全身の連動を意識した総合ケアを行うこととした。殿筋群のコントロール向上は、足部への負担軽減における最重要課題と位置付けた。

足部へのアプローチにはブラックボードを活用し、後足部・中足部・横アーチの機能を段階的に引き出していくプログラムを組んだ。

現時点では「痛くて走れない」レベルではなかったため、トレーニングを完全に休止するのではなく、負荷を調整しながらアクティブにケアを進める方針とした。初回評価の結果をもとに、2回目の来院時にケアプランを提示し、正式にケアを開始した。

施術内容と経過

全身の関節・筋機能バランスの調整を基本としながら、足部の局所的な機能回復と段階的なセルフケアプログラムの習得を並行して進める方針とした。

カイロプラクティックによる脊椎・骨盤へのケアと、ブラックボードを活用した足部ケアを同時進行で組み合わせた点が、このケースの大きな特徴。

初期段階(第1〜4週:週1回)

カイロプラクティックケアと合わせて、以下の3領域のセルフケアプログラムを作成・指導した。

  • 上半身:胸椎モビリティエクササイズ
  • 体幹・殿筋群:殿筋群の活性化・コントロールエクササイズ
  • 足部:ブラックボードを用いた後足部の動きの再学習

ケアの後にセルフケアの指導・練習を毎回行い、クライアント自身がケアに能動的に参加できる体制を整えた。フォームローラーやマッサージガンなどのセルフケアツールをすでに保有していたため、各ツールの正しい使い方と部位別の活用方法についても個別に指導した。

足底腱膜炎|IASTM|OUMIカイロプラクティック立川

経過

  • 1週目: 左膝の「強い痛み」が「軽い違和感」に変化
  • 2週目: 左膝の違和感がほぼ落ち着いた。身体の使い方を変えていることで、一時的に右側の違和感が出現 → 変化の過渡期における自然な反応であることを説明し、トレーニングは継続するようお伝えした
  • 4週目: 左足底・左膝ともに不調がほぼ感じられなくなり、全体的なコンディションが良好な状態に
  • ケア開始1カ月後: 翌月に予定していたトレランレースを無事完走(左足に若干の張りは残るも、走りのパフォーマンスは良好とのこと)

足部については、ブラックボードを使ったエクササイズを評価結果に基づいて段階的に内容を進め、後足部の動きの回復にとどまらず、脛骨・膝との連動を意識したエクササイズへと移行した。

中期段階(第2〜3カ月:2週間に1回)

初期ケアで基礎的な機能の回復傾向が確認できたため、より高次の機能向上を目的としたアプローチに切り替えた。

  • 足部ケア: 中足骨を含む横アーチの機能向上へアプローチ
  • 殿筋群エクササイズ: 体幹との連動を意識したレベルアップ
  • テーピング指導: 長距離レース・練習時の足部サポートとして内側縦アーチなどへのテーピング技術を指導

順調な経過が続いたため、当初予定していた3カ月時点での再評価を2カ月半に前倒しして実施。来院当初にあった膝・足底の不調はほぼ感じられなくなっており、目標をパフォーマンスアップに切り替えたケアへと移行した。

メンテナンスケア(3カ月以降〜)

月1回をベースとし、レースのスケジュールに合わせてレース前後に適宜ケアを追加した。

  • 50km以上のトレランレースを走っても不調の出にくい状態が続いている
  • 某有名トレランレースへの挑戦を実現
  • レース後の腰やハムストリングの疲労はセルフケアで対処できる範囲に収まっている

ケア開始1年後に100㎞レース走破!

※効果には個人差があり、結果を保証するものではありません

このケースで行ったセルフケアの方向性

今回のケースでは、来院時のケアと並行して以下の3つの柱でセルフケアプログラムを構成した。ケアの進捗に合わせて内容を段階的にレベルアップした。

  • 胸椎モビリティ(上半身):フォームローラーを活用した胸椎伸展・回旋モビリティエクササイズ。腕の振りの改善と上半身-下半身の連動回復を目的とする。
  • 殿筋群コントロール(体幹・臀部):ヒップヒンジ・シングルレッグ系エクササイズを中心に、体幹との連動を段階的に強化。足部への負担軽減の鍵となる領域。
  • 足部機能エクササイズ(ブラックボード使用):後足部 → 中足部 → 横アーチの順に段階的に機能を引き出す。脛骨・膝との連動エクササイズも併用。

セルフケアの内容は、状態や生活環境によって大きく異なります。ここで紹介した内容はこのケースの一例であり、同様のお悩みのあるすべての方に当てはまるものではありません。

近江からのコメント

今回はとてもスムーズにケアが進んだケースです。足底腱膜炎の状態によっては同じようには進まないこともあり、歩くレベルで不調が出る場合は、改めて医療機関への相談やインソールの活用なども視野に入れる必要があると考えています。

腱・腱膜などの軟部組織の不調においては、完全安静よりもある程度の負荷を調整しながらケアを続けるほうが身体の機能回復を促しやすいというのが、現在のスポーツ科学における標準的な考え方です。

クライアントさん自身がトレーニングを継続したいというモチベーションをもっていたため、ケアの負荷とトレーニング負荷のバランス調整には最後まで注意を払いました。

足部だけを見ていては、このような経過にはならなかったと感じています。体幹・殿筋群を含む全身へのアプローチと、上半身-下半身の連動をしっかり評価・対応できたことが、根本からの変化につながったポイントです。

カイロプラクティックによる脊椎・骨盤という身体の軸・土台へのケアと、足部の局所的な機能回復を同時進行で進めていけたことが、このケースの大きな要因と考えています。また、ブラックボードによる足部〜骨盤の統合的なアプローチが有効に機能しました。

院長:近江

個人的には、フルマラソンの経験はあっても50km・100kmというのは本当に想像のつかない世界です。100kmのレースを走破されたことは、純粋に嬉しく思いました

掲載している内容は個人の体験に基づくものであり、すべての方に同様の経過をお約束するものではありません。プライバシー保護の観点から、一部の個人情報は一般化して記載しています。

足の症状でお悩みなら…

足底腱膜炎について解説しているこちらのページもお読みください。


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