
院長:近江お気軽にご相談ください!

院長:近江お気軽にご相談ください!
こんにちは!カイロプラクターの近江です。
「特に痛いところはないんですが…」
そう言いながらも、なんとなく肩が重い、姿勢が気になる、片足立ちがちょっと不安定、そんな経験はありませんか?
実はこうした「痛いというほどではないけど、なんとなく気になる」という感覚、多くの方に心当たりがあるのではないでしょうか。
今回は、アメリカのカイロプラクティック業界で広く行われている「スパイナルスクリーニング(Spinal Screening)」という取り組みと、その背景にある考え方についてお話しします。


アメリカでは、カイロプラクターが地域のヘルスフェアやコミュニティイベントに参加して、専門家による簡易的な背骨の状態チェックを無料で提供する文化があります。これがスパイナルスクリーニングです。
姿勢のチェック、簡単な筋力テスト、片足立ちでのバランス評価といった手技的なものから、専用の機器で背骨に沿った体温差を測定する方法まで、やり方はさまざまです。
一つ補足しておくと、カイロプラクティックのアジャストメントは、しっかりとした評価に基づいて行うものなので、こうしたイベントの場で実際の施術や体験施術を行うことはあまり見かけません。
あくまで「今の状態を知ってもらう」ことが目的の場になります。
実は近江も、アメリカ留学時代にこうした地域のコミュニティイベントで、このスパイナルスクリーニングのお手伝いをよくしていました。当時を思い出しながら、今回このコラムを書いています。
ここで少し専門的な話をご紹介します。
カイロプラクティックの研究分野には、「Subclinical Spinal Pain(SCSP)」という言葉があります。これは、「繰り返し起こる、断続的で軽度な脊椎の痛み・こわばり・張りがあるものの、まだ治療を受けるほどではない状態」を指す言葉です。
言い換えれば、「病院に行くほどではないけれど、なんとなく違和感がある」という、多くの方が経験している状態そのものです。
そして興味深いのは、こうした軽度な状態であっても、身体の神経系にはすでに変化が起きている可能性があるという研究報告です。海外の研究では、SCSPの状態にある方に対してカイロプラクティックアジャストメントを行うと、腕や脚の筋力、関節の位置を感じ取る感覚(固有受容感覚)、姿勢を支える筋肉の働きなどに変化が見られたことが報告されています。
つまり、「痛み」という自覚症状だけでは、脊椎の状態を正確に把握しきれない可能性がある、ということです。
虫歯になって痛みが出てから歯医者に行くのではなく、痛みがない段階で定期検診を受け、磨き残しや歯みがきの癖を専門家にチェックしてもらう、それと同じような感覚で、背骨の状態も知っておく、という考え方です。
こうした「痛みが出る前に背骨の状態をケアしておく」という考え方は、アメリカでは「Spinal Hygiene(背骨の衛生管理)」と呼ばれることもあります。歯みがきのように、日々の少しの習慣として背骨のケアを取り入れる、というニュアンスの言葉です。
痛みという症状は、身体からのサインの中でも、実はかなり進行してから初めて出てくるサインであることが多いです。逆に言えば、痛みが出ていない段階でも、からだの中では何かしらの変化が起きている可能性は十分にあります。
だからこそ、症状の有無だけを基準にするのではなく、専門家による評価を定期的に受けておくことに意味があると考えています。


実際、当院にも「特に痛みなどはないけれど、予防的な観点から身体のケアをしていきたい」「スポーツのパフォーマンスを上げていきたい」という目的でカイロプラクティックを利用される方は少なくありません。痛みの解消だけが、カイロプラクティックの役割ではないのです。
当院でも、こうしたスクリーニング的な視点を取り入れる際には、背骨そのものの評価に加えて、姿勢・筋力チェック・片足立ちでのバランス評価などもあわせて行うようにしています。
これは、「バランスがくずれているから、必ず背骨に問題がある」と単純に決めつけられるという意味ではありません。
ただ、背骨まわりには、からだの位置や動きを感知する神経のセンサーが多く集まっており、その働きが乱れると、全身の筋力バランスやバランス感覚にも影響が及ぶ可能性があることが研究で示唆されています。
背骨の評価と、全身の様子をあわせて見ることで、からだ全体の状態をより立体的に把握できる。それが、こうした評価を大切にしている理由です。


ちなみに、スパイナルスクリーニングでは背骨周囲に軽い刺激が入ることもあるため、その場で「なんだか背中が軽くなった気がする」「呼吸がしやすくなった」といった、身体の感覚の変化を感じる方もいらっしゃいます。
「痛みが出る前に、からだの状態を知っておく」、そんな新しい習慣を、ぜひ選択肢の一つとして考えてみてください。
からだのことで気になることがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。