
院長:近江お気軽にご相談ください!

院長:近江お気軽にご相談ください!
こんにちは、スポーツカイロプラクターの近江です。登りは平気なのに、下りに入った途端に膝の前側がズキッとする。トレランを楽しむ方から、そんな相談をよくいただきます。


下り局面での膝の痛みは、実は膝蓋大腿疼痛症候群という状態が背景にあることが多く、平地を走るランナーとは違った視点でのケアが必要になります。
今回は、トレランの下りでなぜ膝が痛みやすいのか、殿筋群・足部・大腿四頭筋のバランス、そしてテーピングという4つの視点から詳しくお伝えしていきますね。



下りの膝の痛みは、膝そのものだけでなく殿筋群や足部からの影響が重なって起こることがほとんどです
下りでは、着地の度に重力と体重に加えてスピードが加わった衝撃を、大腿四頭筋が伸びながら力を発揮する伸張性の収縮で受け止めています。この伸張性収縮は、通常の収縮よりも大きな負荷が筋肉と関節にかかることが知られています。
膝蓋骨は大腿四頭筋の力を脛骨に伝える滑車のような役割を担っているため、下りで負荷が増えるほど膝蓋骨と大腿骨の間にかかる圧力も比例して大きくなります。
ただし、この負荷を膝だけで受け止めているわけではありません。股関節から足部にかけての一連の連動がうまく機能していないと、その分の負担がすべて膝に集中してしまいます。
膝蓋大腿疼痛症候群の対策として、まず見直しておきたいのが殿筋群、特に中殿筋とのバランスです。膝の問題であっても、その一段上にある股関節の筋力がカギを握っているケースが少なくありません。
中殿筋は骨盤を安定させながら、下りの着地時に大腿骨が内側に倒れ込みすぎないよう制御する役割を担っています。中殿筋の働きが不十分だと、着地の度に大腿骨が内側にねじれるように動き、膝蓋骨のトラッキングが乱れる原因になります。
不整地でのバランス調整は平地よりもとても大きな股関節周囲の筋活動を必要とするため、トレランでは特に殿筋群の疲労や機能低下が膝の痛みに直結しやすくなります。下り対策の土台として、まず殿筋群の状態を見直すことをおすすめします。
膝の痛みを考える時、見落とされがちなのが足元からの影響です。足部と足関節は着地の瞬間に地面からの衝撃を最初に受け取る場所であり、ここでの動きの質が膝への負担を大きく左右します。
足部の中でも中足部は、着地の瞬間には衝撃を吸収するために柔軟に動き、地面を蹴り出す瞬間には推進力を伝えるために安定した状態へと切り替わるという、相反する2つの役割を担っています。
この切り替えがスムーズに行われるかどうかは、トレランのパフォーマンスと膝への負担の両方に関わってきます。
不整地では路面の形状が一歩ごとに変化するため、足部を構成するそれぞれの関節が地面に応じて適切に動くことが、平坦なロードを走る時以上に求められます。
クッション性の高いシューズやインソールは衝撃の一部を吸収してくれますが、足部の関節そのものが持つ本来の動きを補うものではありません。シューズに頼れる部分と、足部の関節の動きとして根本的に整えておきたい部分は、分けて考えておく必要があります。
足部のアーチがくずれて足が内側に倒れ込む状態が続くと、その影響は下腿を通じて膝までまっすぐ伝わり、膝蓋骨のトラッキングにも影響を及ぼします。
足関節を反らす動きの可動域が乏しい場合も、下り坂での衝撃吸収を膝が過剰に肩代わりすることになります。
大腿四頭筋はひとつの筋肉ではなく、内側広筋・外側広筋・中間広筋・大腿直筋という4つの筋肉から構成されています。これらの筋肉間で働き方に偏りが生まれると、膝蓋骨を正しい軌道に保つ力のバランスがくずれてしまいます。
特に内側広筋の働きが外側広筋に対して相対的に弱くなると、膝蓋骨が外側に引っ張られやすくなります。下りのように大腿四頭筋全体への負荷が大きい局面では、こうした筋肉間のバランスの偏りが症状として表面化しやすくなります。
大腿四頭筋とは別に、膝の裏側にある膝窩筋という小さな筋肉にも注目が必要です。膝窩筋は、膝を曲げる際に脛骨がわずかに内旋する動きを補助し、膝関節全体の細かな安定性を支える役割を持っています。
不整地でのトレランでは、着地の度に路面の傾斜や凹凸に応じて脛骨が微妙に内旋・外旋を繰り返します。この脛骨の細かなねじれの動きが積み重なることで、それを制御する膝窩筋に大きな負担がかかりやすくなります。
膝の前側の痛みとは別に、膝の奥や裏側に重だるさを感じる場合は、この膝窩筋への負担が関係している可能性があります。


ここまでの殿筋群・足部・大腿四頭筋間・膝窩筋というポイントを踏まえたうえで、テーピングを補助的に活用すると、レース中の安心感が変わってきます。膝蓋骨の動きをサポートするテーピングは、長時間の下りが続くレースで膝への負担を和らげる効果が期待できます。
貼り方によってサポートする方向を調整できるため、自分の弱点がどこにあるかによって最適な貼り方も変わります。専門家に自分の状態に合った貼り方を確認したうえで、レース前に一度試しておくと本番でも安心して使うことができます。
ここまで紹介してきた殿筋群、足部・足関節、大腿四頭筋間のバランス、膝窩筋という4つの要素は、それぞれ独立したものではなく互いに影響し合っています。
すべての要素にアプローチが必要な方もいれば、実際にはひとつのポイントを整えるだけで大きく変わる方もいます。どこに根本的な原因があるかは人によって異なるため、自己判断で決めつけずにしっかりと評価を受けることが大切です。
膝だけを鍛えても変化が出にくい場合は、こうした全身のつながりを評価することが根本的な対策につながります。
スポーツカイロプラクティックでは、関節の動きや筋力のバランスを丁寧に評価しながらアプローチしていきます。下りでの膝の痛みは、我慢しながら走り続けるものではありません。ひとりで悩まずに、気になることがあればいつでもお気軽にご相談ください。

