
院長:近江お気軽にご相談ください!

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「ラットが開かない」「片方だけ肩が上がる」「背中のポーズが決まらない」。ボディビルディングをしているクライアントさん達から、こうしたお悩みをよく伺います。


多くの方が「肩甲骨を寄せれば解決する」とイメージされていますが、それほど単純な話ではありません。今回は、巻き肩とポージングの関係、そして肩甲骨をどう捉えるかについてお伝えします。ぜひ最後まで読んでみてください。



肩甲骨は寄せれば正解ではなく、動かせる幅が大切です
デスクワークなどで腕を身体の前に置く時間が長いと、いわゆる巻き肩のように肩甲骨が外側に開きやすくなったり、少し前に傾きやすくなったりすることがあります。肩がすくみやすいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、肩甲骨が外に開くことや上に挙がること自体は、悪い動きではありません。これらはもともと肩甲骨に備わっている自然な可動域です。
大切なのは、必要な時に必要な位置へ肩甲骨を動かせるかどうか、いわば選択の幅です。位置がくずれていること自体よりも、その位置から動ける余地があるかどうかを見ていく必要があります。
肩甲骨には17種類もの筋肉が付着しているとされ、それぞれが綱引きのようにバランスを取りながら動きを作っています。一つひとつを個別に「緩めよう」「鍛えよう」と単純に切り分けて考えればよいわけではありません。
その方の姿勢の傾向や普段の動作、ポージング特有のクセを踏まえながら、どの筋肉が働きすぎているのか、どの筋肉をもっと使えるようにすべきなのかを見極める必要があります。
胸郭や肩関節との連動も含めて評価したうえで、その人に合ったセルフケアやエクササイズを選んでいくことが欠かせません。同じ「肩甲骨が開きやすい」という状態でも、原因になっている筋肉や関節の組み合わせは一人ひとり異なるため、画一的なメニューでは対応しきれないことも多いです。
ポージングは、日常生活ではほとんど使わない繊細な身体操作の連続です。ここを理解しておくことが、悩みを解決する糸口になります。
ラットを大きく開く、胸を高い位置でキープする、肩をすくめないように保つ、左右の肩の高さをそろえる、肩幅を強調しながらウエストを絞って見せる。これらはどれも、日常生活の中ではまず意識しない胸郭・肩甲骨・上腕の細やかなコントロールを必要とします。
普段から肩甲帯が特定の位置に偏りやすい方は、頭の中で描いた通りの位置へ肩甲骨を持っていきにくいという壁にぶつかりやすいです。ここで注意したいのが、巻き肩の傾向があるからといって、とにかく肩甲骨を後ろへ寄せれば解決するという単純な話ではないという点です。
例えば、ラットを広く見せたい場面で肩甲骨を強く内転させすぎると、かえって背中の横幅を出しにくくなることがあります。
求められているのは固定された一つの正解ではなく、外転や内転、挙上や下制、前傾や後傾を、その瞬間の目的に応じて自在に使い分けられる能力です。
「巻き肩だから内転させておけば安心」という発想は、ポージングにおいてはむしろ逆効果に働いてしまう場合がありますので、覚えておいてください。
肩甲骨の動きを考えるうえで欠かせないのが、上肢全体を支える土台としての背骨の働きです。ここではカイロプラクティックならではの視点を少しご紹介します。
上肢の軸である頚椎や胸椎が適切に働いていなければ、いくら肩甲骨にアプローチしても、なかなか変化が期待できないことがあります。肩甲骨は単独で動いているわけではなく、その土台となる背骨の動きに大きく影響を受けているためです。
カイロプラクティックは、背骨を身体の軸として捉え、まずはそこからアプローチし、四肢へと派生させていくことができる点が強みだと思っています。
肩甲骨だけを局所的に調整するのではなく、頚椎や胸椎の動きを整えたうえで、肩甲骨や上腕といった四肢の動きにつなげていく。この順序を意識することで、表面的なケアだけでは届きにくい変化に近づけることがあります。
当院では通常のセッションの終盤に、実際にポージングを見せていただくことがあります。ここでは評価の進め方を簡単にご紹介します。
「今どのあたりが気になるのか」「本来はどういう形を作りたいのか」を本人に確認することから始めます。見た目の印象だけで判断せず、本人の感覚を出発点にすることを大切にしています。
胸郭の使い方を変えてみる、肩甲骨の位置を調整してみる、上腕の向きを見直してみる、骨盤や立ち方そのものにアプローチしてみる。こうした試行を重ね、変化を確認しながら評価と介入を繰り返していきます。
当院での例としては、肩甲挙筋と菱形筋とのバランスにアプローチすることもありますし、前鋸筋をもう少し使いたい場合には、前鋸筋の中でも上部・中部・下部のどこを主体にするのかまで細かく見ていきます。
このように筋肉ごとの働き方を細かく分けて評価するのは、あくまで土台となる関節の適切な動きがあってこそ意味を持つものであり、そこにカイロプラクティックが重要になってくると考えています。
競技としてのポージングそのものは、専門のコーチやトレーナーの指導が不可欠です。私が見ているのはどのポーズが正解かということではなく、本人が思い描いている動きを、その方自身の身体で実際に表現できているかどうかという部分になります。
同じ指導を受けても再現できる方とできない方がいるのは、この身体側の準備状態に差があるからだと感じています。


「もう少し肩を下げたい」「ここからラットを広げたい」「左右をきれいにそろえたい」。頭の中でイメージができていても、身体がその通りに反応するとは限りません。
この背景には、専門的には固有感覚と呼ばれる、自分の身体が今どこにあり、どのように動いているのかを感じ取る感覚が関わっています。頭の中のイメージを、実際の身体で表現できるようにしていくことは、競技ポージングに限らずさまざまなスポーツ動作に共通する要素です。
カイロプラクティックは、各関節や周囲の筋肉の固有感覚へアプローチすることを通して、脳へのインプットに変化を与えることをベースとしています。
関節の動きや筋肉の感覚情報が適切に脳へ届くようになることで、脳を介したアウトプット、しいてはポージングなどのパフォーマンスそのものにも変化が生まれやすくなります。
肩甲骨の動かし方を変えたいと思った時、筋肉だけにアプローチするのではなく、この情報の流れそのものを整えていく視点が役立つことがあります。
肩甲骨の問題を考える時、その骨だけを単独で見るのではなく、頚椎や胸椎から肋骨や胸郭、肩甲骨、そして上腕骨へと続く一連のつながりとして評価するようにしています。
「巻き肩を直すこと」だけをゴールにするのではなく、胸郭や肩甲骨が動ける選択肢を増やし、必要な動きをご本人が自分で選び取れるようにすることが大切です。
| 着目する部位 | 確認する視点 |
|---|---|
| 頚椎・胸椎 | 回旋や伸展の可動性が保たれているか |
| 胸郭・肋骨 | 呼吸や姿勢に伴って自然に動けているか |
| 肩甲骨 | 外転・内転・挙上・下制を状況に応じて選べるか |
| 上腕骨 | 肩甲骨との連動がスムーズに保たれているか |
ポージングで大切なのは、肩甲骨を「正しい位置」に置くことではありません。自分が作り上げたいポーズに合わせて、必要な位置へ自在にコントロールできることです。
巻き肩はその能力を見つめ直すきっかけになりますが、見た目だけで「肩甲骨の位置が悪い」と決めつけるのは早計です。その方がどのように身体を動かし、どのような表現を求めているのかまで見ていくことが欠かせません。
理想のポージングに近づけずに悩んでいたり、身体の使い方に違和感を抱えていたりする場合は、一人で抱え込まず、いつでもお気軽にご相談ください。あなたが表現したい形を一緒に見つけ、身体で実現できるよう全力でサポートいたします。

