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ボルダリングの肩インピンジメント、見直したいエクササイズの選び方

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今日はボルダリングを続けている方から寄せられる、肩の奥に感じる詰まり感についてお話しします。あなたも登り込んだ後、肩に妙な引っかかりを感じたことはありませんか。ジムに通う頻度が増えるほど、この違和感を訴える方が多くなる印象があります。

ホールドに手を伸ばした瞬間や、身体を持ち上げようとした時に肩の内部でコリッとした感覚があるなら、それは肩インピンジメント症候群のサインかもしれません。

この痛み、実は肩関節そのものよりも肩甲骨の動きや、肩を支えるインナーマッスルの機能不足が関係していることが多くあります。

院長:近江

インナーマッスル、実は使い方を誤解している方が多いです

目次

ボルダリングで肩インピンジメントが起こりやすい理由

ボルダリングは腕を頭上に伸ばしながら全身の力を総動員する動きが多く、肩関節にとても大きな負担がかかりやすいスポーツです。ここではなぜ肩の痛みが起こりやすいのかを、動作の特徴から確認していきます。

肩を大きく動かす角度が多い

ホールドを掴むたびに肩を大きく外転・屈曲させるため、肩峰と腱板がぶつかりやすい角度を頻繁に通過することになります。特に60度から120度あたりの範囲は、肩峰下のスペースが最も狭くなりやすいポイントです。

この動きが繰り返されることで、肩峰下のスペースにある腱板や滑液包に炎症が起きやすくなります。一度炎症が始まると、動かすたびに刺激が加わり続け、なかなか落ち着かない状態に陥ることも少なくありません。

体重を肩で支える瞬間が多い

片手でホールドにぶら下がる姿勢は、肩関節に体重の大部分を預ける状態になります。肩を支える筋肉のバランスがくずれていると、この負荷を上手に分散できません。結果として同じ組織に負担が集中してしまいます。

クライミングを続けている方ほど、この負荷のかかり方に身体が慣れてしまい、痛みに気づくのが遅れる傾向もあるので注意したいところです。

「インナーマッスルを鍛えれば治る」という誤解

肩の痛みについて調べると、必ず出てくるのが「インナーマッスルを鍛えましょう」という言葉です。この考え方自体は間違っていませんが、実際にはここに大きな誤解が潜んでいます。

なんとなくのゴムチューブ運動では意味がない

インナーマッスルが大事だという情報は、多くの方がどこかで耳にしています。そのため、なんとなくゴムチューブを引っ張る運動を取り入れている方も少なくありません。

しかしボルダリングというスポーツの特性を踏まえずに、自分の状態に合わない運動を漫然と行っても、痛みの改善にはつながりません。インナーマッスルという言葉だけが先に広まり、その使い方や見極め方が伴っていないケースがとても多い印象があります。

大切なのは筋肉間のバランスを見極めること

肩関節にはローテーターカフをはじめ、複数の筋肉が関わっています。どの筋肉が過剰に働き、どの筋肉が上手く使えていないか、その関係性を見極めた上で運動を選ぶことに本当の意味があります

例えば三角筋や広背筋に頼った登り方が続いている方に、ただインナーマッスルのトレーニングを追加しても、表層の筋肉が優位な状態は変わりません。むしろオーバーワークしている筋肉をさらに疲労させてしまうこともあります。

肩甲骨とインナーマッスルは同時に見るべきもの

インナーマッスルだけを鍛えても、肩甲骨の動きが乱れていれば効果は半減してしまいます。肩甲骨の動きと併せて、インナーマッスルのバランスを整える必要があります。

肩甲上腕リズムとの関係

腕を上げる時、肩関節と肩甲骨は一定のリズムで連動して動きます。これを専門的には肩甲上腕リズムと呼びます。ボルダリングで肩周りの筋肉が疲労し続けると、このリズムが乱れ、肩峰下のスペースが狭くなってしまいます。

この状態でインナーマッスルだけを個別に強化しても、肩甲骨の土台が不安定なままでは根本的な改善にはつながりにくいものです。

身体全体の連動を確認する

胸椎や腰、体幹から肩甲骨、そして肩、腕という流れは最低限確認したいポイントです。肩の痛みが、実は体幹や胸椎の硬さから始まっていることも珍しくありません。

自分の身体のどこにアプローチすべきかは、この一連の流れを見なければ判断できません。

本質を見極めた身体づくりへ

インナーマッスルという言葉に振り回されず、自分の身体で今どの筋肉がオーバーワークし、どの筋肉が機能していないのかを知ることが、何より大切な一歩になります。

その見極めができてはじめて、ゴムチューブを使ったトレーニングにも本当の意味が生まれます。何となく続けていた運動が、急に効果を発揮し始めることも少なくありません。

そしてこの取り組みは肩の痛み改善だけでなく、肩甲骨や肩の機能を高めることで、ボルダリングにおける指や手首のケガ予防にもつながります。肩がうまく使えていないと、その分の負担が指先や手首へ回ってしまうためです。

ボルダリングを長く楽しみ続けるためにも、痛みが出た時点で一度身体の使い方を見直してみることをおすすめします。あなたが今取り入れているトレーニングも、本当に必要なものになっているでしょうか。

痛みのある肩だけを見るのではなく、肩甲骨の動きやインナーマッスルの機能、さらには胸椎や体幹からの全身の使い方まで含めて評価することが、根本的な改善につながると考えています。気になることがあればどうぞお気軽にご相談ください。


院長:近江

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