
院長:近江お気軽にご相談ください!

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「足底筋膜炎と言われたのですが、最近は足底腱膜炎とも聞きます。同じ病気ですか?」というご質問をよくいただきます。足の裏やかかとの痛みで悩んでいる方が、情報を調べていてこの疑問にぶつかることはとても多いです。


足底腱膜炎と足底筋膜炎の違い、そして足裏の痛みなのかかかとの痛みなのかという疑問は、症状を正しく理解する上でとても大切なポイントです。今回はこの二つの名称の違いと、痛みの場所から分かることについて詳しくお伝えします。


名称の違いを正しく理解することが症状把握の第一歩になります
結論から言うと、足底筋膜炎と足底腱膜炎は基本的に同じ部位に起きる同じ症状を指しています。ただし名称が変わってきた背景には、医学的な理解の深まりがあります。この二つの名称の違いを知ることで、自分の症状をより正確に捉えることができます。
かつては足底の組織を「足底筋膜」と呼んでいたため、その炎症を足底筋膜炎と表現していました。しかし研究が進むにつれ、この組織は筋肉を覆う筋膜というよりも腱に近い腱膜であることが分かってきました。そのため現在は足底腱膜炎という呼び方がより正確とされています。
さらに近年の研究では、慢性的な症状の多くは炎症(-炎)というよりも組織の変性によるものが多いことが分かってきており、Plantar fasciopathy(足底腱膜症)という表現が使われることもあります。
名称は変わっていますが、痛みが生じる部位や発症のメカニズムは基本的に同じと理解していただいて問題ありません。
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| 足底筋膜炎 | 古くから使われてきた呼び方。現在も広く使われている |
| 足底腱膜炎 | 組織の性質をより正確に表した現在の呼び方 |
| 足底腱膜症(fasciopathy) | 炎症より変性が主体の場合に用いられる最新の分類 |
名称の整理ができたところで、次に気になるのが「自分の痛みは足裏なのか、かかとなのか」という疑問だと思います。実はこれは単なる痛みの場所の問題ではなく、足底腱膜のどの部分にストレスがかかっているかを示している重要なサインです。
痛む場所によってアプローチの考え方も変わってくるため、しっかり把握しておくことが大切です。
足底腱膜炎で最も多く見られるのが、かかとの内側(踵骨内側結節)付近の痛みです。足底腱膜がかかとの骨に付着している部分への牽引ストレスが蓄積することで、この付着部に損傷や炎症が起きます。
朝起きての第一歩に鋭い痛みが走り、しばらく歩くと和らぐという特徴的なパターンが現れやすいのはこのためです。
かかとの痛みが強い方は、足底腱膜の付着部に最も負荷が集中していると考えられます。この部位の痛みには、後足部のアライメントや後脛骨筋の機能が深く関わっていることが多いです。
かかとではなく土踏まずの中央部や足裏全体に広がるように痛む場合は、足底腱膜の中間部や前方にかけてのストレスが主体となっているケースが多くあります。長時間の立ち仕事や歩行の後に痛みが増す傾向があり、かかとの付着部の痛みとはやや異なるパターンを示します。
かかとの内側の痛みと土踏まずの痛みが混在している場合は、足底腱膜の広い範囲にわたってストレスがかかっている状態であることが多く、足部全体の機能評価が特に重要になります。
「扁平足だから足底腱膜炎になりやすい」というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし実際には、扁平足の方もハイアーチの方も、それぞれ異なるメカニズムで足底腱膜炎を発症することがあります。
足の形はあくまでも一つの要素に過ぎず、足の形だけで発症リスクを判断することには限界があります。大切なのは、静止時の見た目ではなく、歩行など動きの中で足部がどのように機能しているかを評価することです。
かかとや足裏の痛みがすべて足底腱膜炎とは限りません。
よく似た症状を持ちながら原因が異なる状態として、踵骨棘(かかとの骨に骨棘が形成された状態)、足根管症候群(神経の圧迫による痛みやしびれ)、モートン病(足指の間の神経への圧迫)などがあります。
これらは適切なアプローチが異なるため、自己判断で対処し続けることには限界があります。
足底腱膜炎になってしまうと、足裏をボールでコロコロとほぐすセルフケアを続けている方がとても多いです。ただ、一度痛みが出てしまうと、そのレベルのケアだけでは基本的に改善が難しいのが実情です。表面的な組織の緊張をほぐすだけでは、痛みの根本にある足部の機能問題には届きません。
足底腱膜炎の改善には、足部の状態をしっかり見極めた上での適切なアプローチが必要です。後足部の動き、中足部の安定性、足関節の可動域、そして身体全体のバランスを評価することが、根本的な改善への出発点になります。
症状が強く、歩くだけで痛みが出る状態の時は、インソールを併用しながら介入を進めることになります。インソールはあくまでも今の痛みを和らげるための補助的なサポートであり、それだけで根本的な改善にはつながりません。
インソールで日常生活の負担を軽減しながら、並行して足部の機能を取り戻すためのアプローチを行うことが、回復を早める上でとても重要な考え方です。
足底筋膜炎と足底腱膜炎は名称こそ違えど同じ症状を指しており、痛む場所はかかとの内側から土踏まず、足裏全体にかけて個人差があります。足の形だけで原因を決めつけず、動きの中での足部の機能を丁寧に評価することが、本当の意味での改善につながります。
ボールでのセルフケアが続いているのに良くならないという方は、ぜひ一度きちんとした評価を受けてみてください。一人で悩まず、いつでもお気軽にご相談ください。

