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膝蓋骨のトラッキング異常、原因は中足部にあることも

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膝のストレッチも筋トレも一通り試したのに、なかなか痛みが変わらない。そんな経験はありませんか。

実はその原因、膝から離れた足元、つまり膝の痛みの背景に中足部の動きが関わっているケースが少なくありません。

今回は、あまり注目されることのない中足部という部位が、なぜ膝の痛みにまで影響するのか、そのメカニズムを詳しくお伝えしていきますね。

院長:近江

膝を評価する際、私は必ず足部の動きも一緒に確認します。中足部の働きひとつで膝への負担が大きく変わることを何度も実感してきました

目次

中足部とはどこを指すのか

足部は大きく分けて、かかと側の後足部、土踏まずを含む中足部、指先側の前足部という3つの領域に分けられます。中足部はこの真ん中に位置し、複数の小さな骨と関節が集まって構成されています。

この中足部は、単に足のアーチを形づくっているだけの部位ではありません。歩行やランニングの中で、衝撃を吸収する役割と、地面を蹴り出す力を伝える役割という、相反する2つの機能を持ち合わせています。

ショパール関節という要の存在

中足部の動きを語るうえで欠かせないのが、後足部と中足部の境目に位置するショパール関節です。この関節は距骨と踵骨、そして舟状骨と立方骨という4つの骨によって構成され、足部の中でも大きな可動性を持つ関節のひとつです。

ショパール関節の動きは、単純に硬くなる・柔らかくなるという二択で語れるものではありません。歩行やランニングのサイクルを通じて、後足部の動きに合わせて連続的にその状態を変化させ続けている、いわば常に動き続けている部位です。

中足部が担う2つの相反する役割

中足部の状態は、着地から蹴り出しまでの一連の流れの中で連続的に変化しています。この一連の変化がスムーズに行われるかどうかが、下腿から膝にかけての負担を大きく左右します。

着地の局面で衝撃を受け止める

足が地面に着く局面では、後足部の動きに連動してショパール関節周囲の組織がゆるみやすい状態になり、中足部全体が柔軟性を発揮しやすくなります。この結果、地面からの衝撃を吸収するクッションのような役割を果たします。

この時、中足部の関節同士がわずかに動くことで、足全体にかかる負担を分散させています。この柔軟性が乏しいと衝撃をうまく吸収できず、その分の負荷がそのまま下腿から膝へと伝わってしまいます。

蹴り出しの局面で力を伝える

地面を蹴り出す局面に移ると、後足部の動きが変化し、それに応じてショパール関節周囲も安定性を高める方向へと切り替わっていきます。足全体がまとまりを持って機能することで、推進力を効率よく前方へと伝えることができます。

この着地から蹴り出しにかけての連続的な切り替えがうまく機能しないと、蹴り出しの力がうまく伝わらないだけでなく、代償として膝や股関節が余分に頑張らざるを得なくなります。

足部の動きが膝蓋骨のトラッキングを乱す仕組み

中足部やショパール関節の動きの乏しさは、膝蓋大腿疼痛症候群の背景にある膝蓋骨のトラッキング異常と、いくつかの経路でつながっています。

ショパール関節の動きに連動して距骨も一緒に動くため、この部分の機能に乏しさがあると、距骨の上に乗る脛骨にもわずかな内旋や外旋が生じやすくなります。

脛骨に偏った回旋が続くと、その上に付着している大腿四頭筋の走行にも影響が及び、膝蓋骨を正しい軌道に導く力のバランスがくずれやすくなります

大腿四頭筋は骨盤や大腿骨だけでなく、脛骨の一部にも付着しています。そのため付着部である脛骨の位置に偏りが生じると、大腿四頭筋の張力のかかり方そのものが変化し、膝蓋骨が外側や内側に引っ張られやすくなることがあります。

また、中足部の柔軟性が乏しく衝撃吸収がうまく機能しない場合は、着地の度に膝蓋骨と大腿骨の間にかかる圧力が通常よりも大きくなり、膝の前面に痛みが出やすくなります。足部の代償として過剰回内が起こっている場合も、同様に下腿の内旋を通じてトラッキングを乱す要因になります。

こんな傾向がある方は要注意です

中足部の動きの乏しさは自覚しにくいものですが、いくつかの特徴的なサインから推測することができます。当てはまるものがないか確認してみてください。

  • 裸足で片足立ちをした時に、足元がぐらつきやすい
  • 靴底の減り方が左右や部分的に極端に偏っている
  • 不整地を少し歩いただけで足首まで疲れやすい

複数の項目に当てはまる場合は、膝そのものだけでなく足元からのアプローチも一緒に考える必要があります。

シューズだけに頼らない足部ケアの大切さ

クッション性の高いシューズやアーチサポート付きのインソールは、中足部の負担をある程度軽減してくれます。ただしこれらはあくまで補助的な役割であり、中足部の関節そのものが持つ本来の動きを取り戻すものではありません。

シューズに頼れる部分と、足部の関節の動きとして根本的に整えておきたい部分は分けて考える必要があります。中足部を構成する小さな関節、そしてショパール関節がそれぞれ適切に動いているかどうかは、シューズの性能とは別に評価しておきたいポイントです。

いくら高機能なシューズを履いていても、足部自体の関節の動きに乏しさが残ったままでは、シューズが本来持つ機能を十分に引き出すことはできません。土台となる関節の動きを整えたうえでシューズを選ぶことで、両者の効果をより活かしやすくなります。

膝の痛みは足元から見直すことも大切です

膝のストレッチや大腿四頭筋・中殿筋のトレーニングを続けても膝の状態がなかなか変わらない場合、その原因が膝より下、つまり中足部やショパール関節を含めた足部の動きにある可能性は十分に考えられます。

膝は身体の中間に位置する関節であり、上は股関節や骨盤帯、下は足部からの影響を常に受け続けています。膝だけを見ていても変化が出にくい痛みは、こうした身体全体のつながりの中に答えがあることが少なくありません。

カイロプラクティックでは、関節ひとつひとつの動きを丁寧に評価しながら、こうした全身のつながりを踏まえたアプローチを行っています。ひとりで抱え込まずに、気になることがあればいつでもお気軽にご相談ください。


院長:近江

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