
院長:近江お気軽にご相談ください!

院長:近江お気軽にご相談ください!
こんにちは、スポーツカイロプラクターの近江です。肩の前側の痛みで悩まれている方から、なぜ痛い場所だけを施術しないのかと聞かれることがあります。


今回は上腕二頭筋長頭腱炎を例に、当院がスポーツカイロプラクティックの視点でどのように身体を捉えているのか、その考え方をお伝えしていきます。



痛い場所と原因の場所は、必ずしも同じとは限りません
肩が痛い時、多くの方は痛みの出ている場所に意識が向きます。腕を上げると前側がズキッとするので、原因もそこにあると考えるのは自然なことです。
ですがスポーツカイロプラクティックの考え方では、痛みが出ている場所は結果であり、その手前に原因があるという前提で身体を評価していきます。
上腕二頭筋長頭腱炎の場合、腱そのものが炎症を起こしているのは事実です。腱に摩擦や過剰な負荷がかかり続けた結果として、痛みという反応が出ている状態です。
ですがなぜその腱に負担が集中したのかを考えると、肩甲骨の動きや姿勢、さらには身体の反対側の使い方まで、いくつもの要素が関係していることが多くあります。
痛みの出ている場所と、負担の原因になっている場所は別であることが多いというのが、この考え方の出発点です。腱そのものだけに施術を集中させても、負担をかけ続けている動きが変わらなければ、同じ痛みが繰り返されてしまいます。
この構図は上腕二頭筋長頭腱炎に限った話ではありません。インピンジメント症候群や肩甲下筋の損傷、肩関節周囲炎など、肩に関する多くの問題で、同じように周辺の機能不全が背景にあるケースが少なくありません。
診断名は違っても、身体の使い方に無理が生じているという根っこの部分は共通していることは多いです。
肩という関節は可動域が広い分、他の部位の動きの悪さを代償しやすいという特徴を持っています。本来であれば周囲の関節が分担して担うはずの動きを、肩関節だけで無理に補おうとすると、関節内の特定の組織に負担が集中しやすくなります。
上腕二頭筋の長頭腱は、まさにその負担が集まりやすい場所のひとつだと考えています。
スポーツカイロプラクティックには、背骨を軸やコアとして捉える考え方があります。そして遠位の部分がしっかり動くためには、その近くにある部分が安定している必要があるという考え方も基本にあります。
この二つの視点から、胸椎、胸郭、肩甲骨、肩という順番で評価していくのが自然な流れです。腕という末端が自由に動くためには、その土台になる部分が安定していなければならないという発想です。
肩とひとくくりにしがちですが、実際には胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲胸郭、そして肩甲上腕関節といったように、いくつもの関節が組み合わさって動いています。
日常生活の中で腕を動かす時、私たちはこれらすべてが連動して働いていることをあまり意識しません。それぞれの関節がどのような状態にあるのかを個別に評価していくことで、負担が集中している場所を絞り込んでいきます。
このように一つずつ丁寧に見ていくことで、どの関節の動きの乏しさが、最終的に腱への負担につながっているのかが見えてきます。
スポーツカイロプラクティックでは、背骨や骨盤、四肢の関節、筋肉やファシアなどの軟部組織、そしてそれらをコントロールするためのエクササイズという軸がぶれることはありません。この軸に沿って、しっかりとした評価と介入、そして再評価の流れを作ることを大切にしています。
評価をして終わりではなく、介入した後にもう一度評価を行い、変化を確認するという一連の流れを大事にしています。この繰り返しによって、その方の身体に本当に合ったアプローチかどうかを見極めていきます。
一度の施術で終わらせず、変化を客観的に確認しながら次の一手を考えることが、遠回りのようで実は確実な近道になります。
身体は全身でつながっているため、離れた部位の問題が意外なところに影響することもあります。例えば左の股関節周りがうまく安定していないことで、右肩に問題が出ることもあります。
歩く、走る、投げるといった動作は全身の連動によって成り立っているため、下半身の安定性の乏しさが、離れた上半身の代償動作につながることは珍しくありません。肩だけを見ていては気づけない関係性です。
スポーツカイロプラクティックと聞くと、アスリート専用のケアだと思われがちです。スポーツという言葉がついている分、運動をしていない自分には関係のない話だと感じる方も多いのではないでしょうか。
ですが実際には、この全体を見るという考え方自体は、運動をしていない方の肩の痛みにも同じように応用できます。
デスクワークで巻き肩の姿勢が習慣になっている方や、日常の家事や仕事で腕を使う機会が多い方でも、姿勢や肩甲骨の動きのくずれから同じように腱に負担が集中することがあります。
競技をしているかどうかにかかわらず、身体の使い方に無理が生じている点を見つけ出すという姿勢は変わりません。
当院では、初回の評価に十分な時間をかけ、姿勢や動作のパターン、関節の状態などを一つひとつ確認した上で、なぜその腱に負担がかかっているのかをお伝えするようにしています。痛みという結果だけでなく、そこに至った経緯を理解していただくことを重視しています。
カイロプラクティックアジャストメントに加えて、軟部組織への施術やテーピングサポート、専用ツールを使ったエクササイズなど、状態に合わせて複数の方法を組み合わせています。
一つの技術に頼るのではなく、評価と介入、再評価を繰り返しながら手段を選んでいくことが、結果的に回復への近道になると考えています。
上腕二頭筋長頭腱炎に限らず、肩の痛みは一部分だけを見ていても本当の原因にたどり着けないことがあります。身体全体のつながりを見極める視点を、ぜひ一つの選択肢として考えてみてください。一人で悩まず、いつでもお気軽にご相談ください。

